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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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タグ:ドン・キホーテ ( 6 ) タグの人気記事

2019.5.1 マリインスキー・バレエ『ドン・キホーテ』(ノヴィコワ&エルマコフ)

オレーシア・ノヴィコワ
アンドレイ・エルマコフ

 ノヴィコワのキトリは、第一幕のメヌエット(キトリ-ドン・キホーテ、バジル-花売り娘1、ガマーシュ-花売り娘2、の6人の宮廷風のダンス)も、花売り娘に言い寄り始めたバジルの肩をトントン扇子で叩くも気づかれず、ドン・キホーテにまた手を引かれて踊りに戻る等々、おとなしめのキトリではありました。しかし、狂言自殺の場面では、バジルのカミソリを、脚でバジルの胴を踏みつけ固定してまで引っこ抜こうとするなど、ところどころウケを狙ってきます。
 踊りには爆発力はありませんが、職人的で好きなダンサーです。細かいポワントワークがあるので、足先に思わず見入ってしまいます。第3幕のソロでも、スパスパとパッセをこなしていくところは、自然と拍手が起きますし、フェッテも、危なげなく後半までダブルを入れてきます。バランスにも優れているので(あまりに力みなく立つので、逆に派手さに欠けるのですが)、ドゥルシネアのソロでは、前アティチュードからアラセゴン(横)をしっかり通ってアラベスクに至る軌跡がしっかり見えて美しいです。そういえば、去年12月のマリインスキー来日公演での『ドン・キホーテ』で、レナータ・シャキーロワがここで別の振付を踊っていた記憶があるのですが、こちらは定番のソロでした。

 エルマコフは、つい最近プリンシパルに昇進し、脂ののった時期と言えましょうか。しかし、大きくふんわりした跳躍はいいのですが、いまいちビシっと決まりません。そして、リフト時のノヴィコワのポーズが美しくなかったり、リフト前にもたつきがあったり、フィニッシュが音通り決まらなかったりして、パートナリングはあまりいいとは言えませんが、美より安全を取るタイプだという安心感がありました。演技も踊りも素朴で、スペインの伊達男というよりロシア人そのまんまです。
 なお、狂言自殺の場面で生き返るところは、立ち上がらず、膝立ちでコンパクトにジャンっと決めてくれたのはよかったです。

 ドゥリアードの女王はエカテリーナ・オスモルキナ。冒頭のデヴェロッペの連続では、実際には特にぐらつきもないのですが、なぜかはらはらしてしまったり、左右非対称だったりで脚が弱くなっちゃったなあ…と思いましたが、この方の浮世離れした雰囲気はドゥリアードの女王にぴったりです。
 アムールは、ヴァレリア・マルティニュック。こなれていて盤石でしたが、もうちょっと軽やかさがほしいです。

 エスパーダはアレクサンドル・ロマンチコフ。かなり上背もあり、見栄えがします。マリインスキー比でも長い長い手脚をコントロールしきる筋力があるかというと微妙ですが、そこは俺イケメン的自信あふれる演技でカバーでしょうか。跳躍の多い酒場のソロの方が見ごたえありました。
 街の踊り子は、マリア・ブラノワ。ベビーフェイスとパワフルな跳躍のギャップが新鮮です。
 メルセデスはタチヤナ・トカチェンコ。実はあまり好きなダンサーではありませんが、この役は似合っているなあと思いました。
 
 第3幕のヴァリエーションは、アナスタシア・ルーキナは、アラベスク等のポーズはぱっと華やかに決まるのですが、全体にちょっと重たそうで、回転技の連続でも、あまりスピード感がありませんでした。



by jicperformingarts | 2019-05-13 08:32 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2012.05.22 タタール国立劇場「ドン・キホーテ」

クリスチーナ・クレトワ
ミハイル・ロブヒン


タタール国立劇場(カザン国立歌劇場)で開催されたヌレエフ記念クラシック・バレエ・フェスティバルを見物(?)してきました。この日は、モスクワ系のゲストで、主役にはボリショイ・バレエからクリスチーナ・クレトワとミハイル・ロブヒン、エスパーダと大道の踊り子はモスクワ音楽劇場からそれぞれゲオルギー・スミレフスキとアナスタシア・ペルシェンコーワというキャストでした。といいつつ、ドゥリアードの女王とボレロのソリストを踊ったタタール国立バレエのソリストのレベルも高く、いい公演だったと思います。

クリスチーナ・クレトワはクレムリン・バレエ、モスクワ音楽劇場バレエを経てボリショイ・バレエにたどり着いたたたき上げです。クレムリン・バレエ在籍時に彼女の踊りを観ていますが(その時の感想はこちら)、たたき上げらしいよく練られた演技としっかりしたテクニックがあり、成長の跡がうかがえます。32回転は前半はすべてダブル、後半にもダブルを織り交ぜていたのに、ルティレの位置が低いこともあり、迫力がなくて残念です。でも、第3幕のヴァリエーション(ソロ)は、彼女生来のスパスパした踊りにあっていて快活さがうまく出ていました。
ロブヒンは、サポートを頑張る姿が好印象です。酒場の場面でも自分のテクニックを見せつけるためにだらだらピルエットを続けるようなことはせず、さっさと切り上げてリフトの準備に切り替えます。なんだかちょっと地味な印象がぬぐえないダンサーですが、開脚など動きのクオリティはむしろ以前よりはよくなったと思います。表情もとぼけててかわいかったです。
ドゥリアードの女王は、4月のペルミ国際コンクールで第2位を取った、クリスチーナ・アンドレーエワ。脚が弱いのか、ポワントでたった時に軸足がプルプルしてましたが、足音も小さく、またとてもきゃしゃな体型ということもあり、繊細な印象のダンサーでした。
そして大道の踊り子を踊ったペルシェンコーワは、大きい大きい跳躍と前のめりの気合がこの役にぴったり!でした。むしろクレトワよりも気合入ってました。スミレフスキは伊達男ぶりがエスパーダでしたが、個人的にちょっと体が重くみえました。第3幕のボレロを踊ったタタール国立バレエのヌルラン・カネトフ(実はロシア国内の賞を色々とってるダンサーです)の方がキレはいいかな、と思いました。

舞台装置は、さすが成金の国タタールスタン(笑)特に素晴らしかったのが夢の場で、基本黄金一色で、薄い紗幕を何枚もかさねて、黄金にけぶる夢の世界を演出していました。ドゥリアードたちのチュチュもゴールド基調で、黄金の糸で施した花の刺繍が上品。そんな中、ドゥルシネアが白のチュチュ、ドゥリアードの女王が薄い水色でした。
by jicperformingarts | 2012-05-30 13:08 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2012.05.19 ニジニ・ノヴゴロド国立劇場「ドン・キホーテ」

 久々に、ロシア劇場めぐりの旅に出ています。連日バレエなので、感想を書くのが全然追いつきませんが、頑張って書いていこうと思います。この日はニジニ・ノヴゴロドです。モスクワから夜行で5~7時間程度のところにある、ヴォルガ河沿岸の大都市です。なのですが、今まであちこち回った地方都市のオペラハウスのなかでは、一番しなびていたかも…。関係者の方がいたら申し訳ございません。

エレーナ・ベクシャエワ
ワシリー・コズロフ


当日券を買いましたが、なんと120ルーブル(300円くらい)でした。私の前にいたおばさんは30ルーブル(80円位)で2階席を買っていました。そしてキャスト表はなんと一部手書きでした。一演目見ただけでは断言はできませんが、目安として、ダンサーのレベルはサンクト・ペテルブルク・アカデミー・バレエと同じくらい、でも衣装・装置は海外ツアーに対応してるサンクト・ペテルブルク・アカデミー・バレエの方が見栄えはいいかな、という印象です。ニジニ・ノヴゴロド国立バレエの「ドン・キホーテ」の装置は、第一幕はインドア設定なのでしょうか、基本無地の背景幕に大きな窓枠が書かれていて、その向こうに港町の風景が見えます。そしてこの窓枠からキトリが登場します。演出は、プロローグや人形劇の場面は省いて2:40にまとめていますが、酒場の場面には少女と水兵たちによる踊りが挿入されているのがちょっと珍しい。なお、第二幕がいきなり夢の場から始まるのもあまりない演出かな~と思います。

ダンサーのレベルはけして悪くはないと思いました。エレーナ・ベクシャエワは、腕と、それに伴って立ち姿もあまり優雅ではないので、ドゥルシネア役はあまり良くなかったですが、32回転を最後まで腰に手をあてたまままわりきったのはすごいと思います。
一方、バジルのコズロフは、背がすらりと高くてスタイルは抜群です。そして脚さばきもキレイなのですが、なぜか超仏頂面…(笑)私も意地になって結構マメにオペラグラスで彼の表情をチェックしていましたが、ついに彼の笑顔を観ることは一度もありませんでした。第三幕のソロなどは、ドヤ顔してもいいパフォ-マンスだったと思うのですが。
他のロシアのバレエ団との相対値で一番レベルが高かったのは野営の場面でしょうか。また、エスパーダ役の方は、年の功なのか、タメるのが上手くて省エネに観客をひきつけていました。
by jicperformingarts | 2012-05-25 07:19 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2/6 クレムリン大会宮殿 「ドン・キホーテ」(ボリショイ・バレエ団による公演)

        キトリ/スヴェトラーナ・ザハロワ 
        バジル/イーゴリ・ゼレンスキー
        森の女王/マリーヤ・アラシュ
        エスパーダ/アルチョム・シュピレフスキー
 
 
  クレムリン大会宮殿に初めて行きましたが、本当にクレムリンの内部にあるのですね! 会場の収容人数は6000人と言われていますが、バレエ公演時は上の階を閉め切っているため、実質的には2200人程度だそうです。とはいえボリショイ劇場新館よりずっと大きいせいか、パンフレットが公演開始前に既に売れ切れていて買えませんでした。
 バジル役にマリインスキー劇場のプリンシパルを迎えたというレアな公演です。まずそのゼレンスキーですが、跳躍の着地の音もしないし、動きの継ぎ目が全然ないし、テクニック的に非常にスマート。ただ流麗すぎて、灼熱!て感じはしなかったというか、もうちょっとあぶらギッシュな人の方がバジルは合うかな~と思います。とはいえこの人の演技は大げさではないけど一貫してるので印象に残ります。今回は一貫して「根っからの女好き」でした。
 そんな彼の役作りはキトリ役のザハロワの姫オーラがあればこそでしょう。普通の若手相手ならただの女泣かせです。めっきり女王様が板についた彼女ですが、バジルのシャレにならない浮気ぶりにちょっとだけ不安になるところなどなどとっても可愛かったです。3幕の32回転フェッテでは、後半までダブルを入れる余裕ぶり。また、ドゥルシネア役では薄いグリーンのチュチュがとっても映える美しさでした。ホップで舞台を斜めにつっきるだけでため息を誘えるダンサーは現在世界でも稀だと思います。なお、ここのドン・キホーテの“夢の場”はグリーン基調です。華やかなマリインスキー版も大好きですが、このすがすがしさも素敵だなあと思いました。
 シュピレフスキーはマッチョなのに筋力なさそうな踊りでした。なぜでしょう。なので音に遅れ気味で、キメてるのに微妙にキマらないという感じです。その他もちろん素敵なダンサーはいたのですが、手元にパンフレットがないので、正確な名前がわかりません。また後日入手してからご紹介しようと思います。
by jicperformingarts | 2008-02-06 19:00 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

1/6  マリインスキー劇場 「ドン・キホーテ」

      キトリ/エフゲーニヤ・オブラスツォーワ 
      バジル/ウラジーミル・シクリャロフ
      エスパーダ/アレクサンドル・セルゲイエフ 
      森の女王/タチヤナ・セロワ  


 オブラスツォーワのキトリ・デビューに興味があっていった公演ですが、シクリャーロフもこの日にバジル・デビューだったし、若手中心の公演で楽しめました。オブラスツォーワは可愛いって言われ慣れてそうなキトリでした。イヤ実際かわいいんですが(笑)この人のアラベスクはとてもきれいなので、ドゥルシネアは良かったです。踊りがまろやかすぎなところはあるのですが、パートナーのシクリャロフも同様だったので、まあこういうほのぼの「ドン・キホーテ」もアリかなと思いました。
 そのシクリャロフですが、リフトに大きなミスもなかったし、ソロでは大技を詰め込んでましたが、もう一息というところで微妙にキマらないのがこの人らしい(笑)酒場の場面では飲み干した杯を、みんな後ろに投げるのに、一人だけほぼ真上に投げてて、つい和んでしまいました。でもこんなふうにダンサーの個性が浮かび上がる舞台は観ていて楽しいです。
 そしてセルゲイエフのエスパーダです。サラッとした華があって、いい意味で「古典を踊らすには惜しい」若手ですが、マント裁きも鮮やかで良かったです。
 ただ今日は男性陣は充実してたけど、女性陣はイマイチ影が薄かった気がします。女性ジプシーのソロがないのも大きいかなと思いますが…。なお、蛇足もいいところですが、デルモ立ちの花売り娘(ヴィクトリア・クテポワ)と、谷間のあるキューピット(ヴァレリア・マルティニュック)が今日のサプライズでした。
by jicperformingarts | 2008-01-06 19:00 | 公演の感想(バレエ)

12/26  ボリショイ・ドラマ劇場 「ドン・キホーテ」 (エイフマン・バレエ)

      ドン・キホーテ/ユーリ・スメカロフ 
      キトリ/ニーナ・ズミエヴェッツ
      バジル/アレクセイ・トゥルコ


 今日の演目も、古典バレエ「ドン・キホーテ」を「頭のおかしいおじいちゃんの妄想ワールド」に作り変えたものです。音楽の入れ替えが激しいので、元の場面を思い出しながら観ると楽しいです。精神病院の場面では、繰り返し“夢の場”の音楽が使われていて、その能天気さがおかしかったです。他にも、“ファンタンゴ”(第3幕)や“トレアドール”(第一幕)はドン・キホーテが踊ります。まぁまぁ彼の夢の世界なんですから華を持たせないとということでしょうか。見た目はクラシック版と同様、よぼよぼのメイクなんですが、踊りだすと結構超絶技巧がふんだんに使われてるので、「あれっ若い!」と思います。そんな彼を演じたのはスメカロフですが、もうちょっと不健康さが欲しかったような。
 一方、キトリは衣装もやってることも古典版とあまり変わりません。3幕のグラン・パもほぼそのままです。ズミエヴェッツは跳躍は大きいし、関節の可動域も広くて、舞台上で一際目を引きます。指先など細かいところはさておき、クラシックとしても充分見られるレベルです。
 でもバジルのトゥルコは連日の公演でお疲れだったのでしょうか、音楽に遅れ気味で残念でした。それでも狂言自殺の場面は面白かったです。
 それにしても、このカンパニーの公演を観ると、いつも群舞の持つエネルギーに圧倒されます。鬼才エイフマンの求心力でしょうか、優れた振付家が率いるカンパニーは、マリインスキーなどの大カンパニーにはないまとまりがあります。作品・群舞というハード的要素が抜群に優れているので、エイフマンはどの公演を見てもハズレにはなりません。今回はソリストがあまり良くなかったのでアタリではありませんでしたが(笑)1月4日にはミハイロフスキー劇場で「カモメ」が上演されるので、そちらを楽しみにしようと思います。
by jicperformingarts | 2007-12-26 19:00 | 公演の感想(バレエ)


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