ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
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2/10 ミハイロフスキー劇場「チッポリーノ」

       チッポリーノ/デニス・トルマチョフ  
       ラディソーチカ/アリョーナ・サマルスカヤ
       マグノリア/オリガ・ステパノワ
       サクランボ伯爵/アルチョム・プハチョフ

 
 久しぶりのミハイロフスキー・バレエの公演でしたが、子ども向けバレエという性質上、ダンサーよりも作品そのものに目が行ってしまい、今キャスト表を見返すと「あああの人があの役だったのね」が続出です。上演時間は2幕構成で2:10ほどでした。
 ロシアの高名な舞台美術家、ワレリー・レヴェンターリが衣装・装置担当ですが、ロシアン・ディズニーだなあと思いました。原色でファンシーな世界です。とはいえ色彩のバランスは取れているし、そもそもこの作品が役名からしてどこまでもファンシーなので、ピッタリです。“花”のコールドの華やかな衣装が特に印象的でした。常々ロシア人の色彩感覚に疑いを抱いている私ですが、この人は例外です。
 子供向けだからスピード命なのでしょうか、装置はアッサリした書き割り式です(もちろん書き割りそのものは華やかなんですが、この人の装置は基本的にもっと立体的なので)。場面転換は更にカーテン代わりの書き割りを下ろしてその後ろでサッ、という感じ。
 肝心の踊りについてですが、主役のタマネギ坊や、チッポリーノはさすがにパワフルなテクニックで、子どもたちも大喜びでした。サマルスカヤは、あれはああいう役だからああいう踊りだったのか、おきゃんすぎるくらい元気でした。メイクがケバすぎてキュートさが損なわれてますよ!
 ステパノワは回転は良かったけれど、香りだけで男の人をノックダウンさせるほどの優雅さはありませんでした(笑)サクランボ伯爵は、伯爵だけあって、今回の公演の中では一番ポーズがノーブル(優雅)でした。
 どうでもいいのですが、「青-白のストライプの全身タイツに白レースのふんどし」姿の男3人には仰天しました。踊りとは全く関係ないと思われることでしょうが、でもバレエは総合芸術ですから! あれは一体…。
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# by jicperformingarts | 2008-02-10 14:00 | 公演の感想(バレエ)

2/5 “サンクト・ペテルブルグ・オペラ” 「眠れる森の美女」(カレリア共和国音楽劇場による公演) 

       オーロラ/ラリサ・イワノワ 
      デジーレ王子/ピョートル・バザロン
      女王/ディアナ・スミルノワ
      カラボス/アンドレイ・リャボフ
 

 キリル・シモノフが首席バレエマスターを務めるバレエ団による遠征公演で、当然この作品も彼の振付です。彼はマリインスキー・バレエの「くるみ割り人形」などを手がけ、またノヴォシビルスク・バレエに振付けた「シンデレラ」ではロシアで最も権威あるといわれる“ゴールデン・マスク”賞で入賞しているので、ロシアを代表するコンレンポラリー・ダンスの振付家なのかなと思います。
舞台が非常に狭いし、コンテンポラリー(現代作品)なので断言は出来ませんが、容姿から察するに、バレエ団のレベルはそこまで高くないです。二の腕がみなさん結構タプタプ…。マリインスキー劇場より容姿チェックに厳しいと言われるエイフマン・バレエを観た翌日なので、余計に気になりました。
 作品としては風刺てんこもりで面白かったと思います。大きな特徴としては、まずカラボスがカッコイイ男性として大きく扱われることと、それから冗長でもある結婚式の場面をバッサリ切っているところでしょうか。
 その他オーロラに美徳を授けるはずの妖精たちが“乱暴の精”“吝嗇の精”“横柄の精”で、当然そんな方々に祝福されたオーロラは美しいけど野獣のようなお姫様に成長し、母親の女王様は「誕生日プレゼントよ♪」と言って婚約者たちをプレゼントする、という感じで、クラシックとはかなり異なります。振付そのものは、何せ舞台が小さくて群舞が8人載れば既に窮屈そうなくらいなので、よかったのか正直わかりません。
 それにしてもロシアの観客は正直です。“幻影の場”でオーロラと王子のデュオでは(なぜか)王子が一枚ずつ脱いでいくのですが、観客どよめきすぎです(笑) その他オーロラを助け出すべくカラボスと闘うシーンでは絶妙な間合いでパコーンとカラボスを蹴っていて、「え?今普通に蹴ったよね?」「すごいナチュラルに蹴ったよね?」と、またどよめいてました。私も吹き出しちゃった一人なんですが。
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# by jicperformingarts | 2008-02-06 19:00 | 公演の感想(バレエ)

2/6 クレムリン大会宮殿 「ドン・キホーテ」(ボリショイ・バレエ団による公演)

        キトリ/スヴェトラーナ・ザハロワ 
        バジル/イーゴリ・ゼレンスキー
        森の女王/マリーヤ・アラシュ
        エスパーダ/アルチョム・シュピレフスキー
 
 
  クレムリン大会宮殿に初めて行きましたが、本当にクレムリンの内部にあるのですね! 会場の収容人数は6000人と言われていますが、バレエ公演時は上の階を閉め切っているため、実質的には2200人程度だそうです。とはいえボリショイ劇場新館よりずっと大きいせいか、パンフレットが公演開始前に既に売れ切れていて買えませんでした。
 バジル役にマリインスキー劇場のプリンシパルを迎えたというレアな公演です。まずそのゼレンスキーですが、跳躍の着地の音もしないし、動きの継ぎ目が全然ないし、テクニック的に非常にスマート。ただ流麗すぎて、灼熱!て感じはしなかったというか、もうちょっとあぶらギッシュな人の方がバジルは合うかな~と思います。とはいえこの人の演技は大げさではないけど一貫してるので印象に残ります。今回は一貫して「根っからの女好き」でした。
 そんな彼の役作りはキトリ役のザハロワの姫オーラがあればこそでしょう。普通の若手相手ならただの女泣かせです。めっきり女王様が板についた彼女ですが、バジルのシャレにならない浮気ぶりにちょっとだけ不安になるところなどなどとっても可愛かったです。3幕の32回転フェッテでは、後半までダブルを入れる余裕ぶり。また、ドゥルシネア役では薄いグリーンのチュチュがとっても映える美しさでした。ホップで舞台を斜めにつっきるだけでため息を誘えるダンサーは現在世界でも稀だと思います。なお、ここのドン・キホーテの“夢の場”はグリーン基調です。華やかなマリインスキー版も大好きですが、このすがすがしさも素敵だなあと思いました。
 シュピレフスキーはマッチョなのに筋力なさそうな踊りでした。なぜでしょう。なので音に遅れ気味で、キメてるのに微妙にキマらないという感じです。その他もちろん素敵なダンサーはいたのですが、手元にパンフレットがないので、正確な名前がわかりません。また後日入手してからご紹介しようと思います。
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# by jicperformingarts | 2008-02-06 19:00 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2/4 アレクサンドリンスキー劇場 「チャイコフスキー」(エイフマン・バレエによる)

        チャイコフスキー/ユーリ・スメカロフ 
        アルター・エゴ/オレグ・ガブィシェフ
        フォン・メック夫人/ヴェラ・アルブゾワ 
      アントニーナ・ミリュコワ(チャイコフスキー夫人)/ナタリヤ・ポヴォロズニュック

 
 タイトルどおり、彼の人生を伝記的に描いた作品ですが、今まで観たエイフマン作品の中では一番つまらなかったかもしれません。全体としてあまりに抽象的過ぎて、淡々と沈没していったらいつの間にかエンディングで、盛り上がり損ねました。もちろん、チャイコフスキーの生涯に詳しければまた印象も違ってくるのかもしれませんが…。
 主人公のスメカロフはこってりしてました。アルター・エゴ(分身)を演じたガブィシェフの方がサラッとした切れ味の鋭さがあって、個人的には素敵でした。
 フォン・メック夫人は衣装を含めた見た目は『眠れる森の美女』のリラの精、役回りはなんとなくカラボスを思い出させました。このバレエ曲が多用されていたせいもあると思います。ただ、相当アレンジされていたので『眠れる森の美女っぽい音楽』という感じです。
 一方のチャイコフスキー夫人は白い衣装で、オデットを彷彿とさせるように作られています。ポヴォロズニュック自体の感想は特にありませんが、2幕で彼女が布にくるまって登場する場面、布剥いだら同系色のロングドレスを着ていてちょっと意表をつかれました。オジサン視点で失礼ですが(笑)現代作品を観ていると「脱げばいいってものでも…」ということが多いので、ホッとしました。 
 その他、女性コールド(群舞)は白鳥のかっこうをして登場で、特にクライマックスは葬列のようで迫力でした。こんな感じで演出のディテールを追っていくと、やはりエイフマンは面白いです。また、色々な古典バレエが入り乱れてて、普段クラシックを見慣れている人は、その崩し方にも見入ってしまうと思います。
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# by jicperformingarts | 2008-02-04 19:00 | 公演の感想(バレエ)

1/31 ミハイロスキー劇場 「カヴァレリア・ルスティカーナ」

        トゥリッドゥ/ワシリー・スピチコ  
       サントゥッツア/タチヤナ・アニシモワ

 
  ミハイロフスキー劇場の新作一幕オペラです。100ルーブリ(≒450円)の立見席で観ましたが、上演時間が1:20ほどだったので、それほど疲れませんでした。 女の嫉妬も怖いが男の嫉妬も怖い、という話で、あおり文句をつけるなら、間違いなく「復活祭のシチリアで繰り広げられる愛憎劇!」なのですが、美しい音楽、特にコーラス部分が秀逸で、あまり陳腐な感じはしませんでした。クライマックスが特によかったです。
 それは装置によるところも大きいと思います。街角(下手にアパルトマン、上手に教会)をそのまま切り取って舞台に載せたかのようで、ディズニー・シーばりに精巧です(笑) 床がちゃんと石畳になっていて、マンホールまであるのも芸が細かいですが、更にそこに水が流れ込んで出来たシミまで作り込んであるのには脱帽です。
 肝心の歌手ですが、まずコーラスがまだざらつきはあるものの迫力がありました。主役、“美男子”たるべきトゥリッドゥが、所作といい歌といい普通のおじさんだったので、恋敵にあたる街一番のお金持ち・アルフィオの方が魅力的でした。世の中って不公平…。
 衣装は割と平凡でしたが、全般にクラシカルで見ごたえのあるオペラだったので、オペラデビューしてみたい日本人に是非オススメしたい作品だと思いました。休憩なしの80分間ではありますが、話の筋も追いやすいので、集中力をそれほど消耗しないですみます。
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# by jicperformingarts | 2008-01-31 19:00 | 公演の感想(オペラ) | Comments(0)

1/29  マリインスキー劇場 「シンデレラ」 

      シンデレラ/エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  
      王子/ウラジーミル・シクリャロフ
      継母/タチヤナ・セロワ

 
 マリインスキーの「シンデレラ」を観るのは4年ぶりだったのですが、改めてみると若手活躍の場として価値のある作品だなと感じました。
 まず主役のオブラスツォーワですが、彼女は元々踊りそのものより、そこから透けて見える性格が印象に残るダンサーなので、モダンでも見応えがありました。このシンデレラは、魔法が解けて夜会から帰って来てから、「夢でも幸せ」ではなく「折角理想の王子様に出会えたのにー!!」とジタバタするところが素直で好印象です。
 一方最近彼女とペアで踊ることの多いシクリャロフ、サポートはだんだん上手くなってきています。小柄できちんとした踊りの彼女とパートナーシップを深めるきたおかげかな?と思います。振付そのものも彼にあっていて、しなやかな動きが若々しくてよかったです。
 この日のアグリー・シスターズはエレーナ・シェシナとクセニヤ・ドゥブロヴィナでした。どちらが好みかといえば間違いなくドゥブロヴィナなのですが、この役に関してはシェシナの方が光ってました。女の捨てっぷりがあっぱれでした(そういう役柄だからなんですけど)。継母のセロワはこの役だと良かったです。
 その他、この演出では四季の精を男性が踊るのですが、夏を踊ったコンスタンチン・ズベーレフが跳躍の時も着地の時も肩がグラグラせず美しいポーズのままだったのが印象的でした。
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# by jicperformingarts | 2008-01-29 19:00 | 公演の感想(バレエ)

1/26  マールイ・ドラマ劇場 カルロ・コッラ人形劇場による「シェヘラザード/ペトルーシュカ」

 イタリア・ミラノから来たマリオネット劇団による公演です。バレエ「シェヘラザード」のイメージが強かったので、どんなものなんだろうという好奇心から観て来ました。
 まずその「シェヘラザード」ですが、あらすじがそもそもバレエとは別物で、牢屋で出会ったシンドバットとカレンデール王子がそれぞれの身上を物語る、という回想形式で進みます。なので大雑把に言って2部構成で、前半がシンドバットの話なのですが、こちらはオペラ「サトコ」によく似ているのでロシア版「浦島太郎」という感じ。
 そして後半のカレンデールの身の上話は「婚礼直前の姫君に偶然出会って恋に落ちて、彼女もそれに答えるけれどどうにもならず、婚礼行列をかき分けて(衆目の中)姫君に想いを告げたら不敬罪で投獄」とのこと。しかも彼は最後に斬首に処せられます。繊細な装置・衣装、そしてリムスキー=コルサコフのあの音楽がピアノ演奏という、とても美しい世界だったので、この際「王子なのに不敬罪??」なんてことは考えないようにします。
  そして2演目めの「ペトルーシュカ」ですが、こちらは印象薄です。ペトルーシュカ(道化の人形)がバレリーナ人形に恋をするけれども相手にされず、 しかもニグロの人形にはいじめられ、でも大団円という微妙なあらすじというせいもあるのですが、もともと人形を人形が演じても…、という本質的な理由も大きいと思います。とはいえ、サンクト・ペテルブルクを舞台にしたこの演目、装置は絶品なので、極上の三次元紙芝居を観ているようでした。
 大人向けのマリオネット劇場を観るのは初めてですが、生身の人間でなくマリオネットが演じているだけに、「突然魚が現れて、シンドバットを乗せて陸の世界へ連れて行く」とかなどの現実にはありえない演出は逆に自然に見えます。それから、日本の文楽とは違って全く言葉のないドラマなので、細かい設定や心情を表現するのは難しいのですが、あらすじが普遍的な分、ストレートでいいなと思いました。
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# by jicperformingarts | 2008-01-26 15:00 | 公演の感想(その他)

1/13  マリインスキー劇場 「コンテンポラリー・プロ」

   “老バイオリン弾きのように…”/ソフィア・グメロワ  アントン・ピモノフ
   “スワン家のほうへ”/オレーシア・ノヴィコワ  アレクサンドル・セルゲイエフ  
   “リング”/アントン・ピモノフ 
         ヴィクトリア・テリョーシキナ  イリーナ・ゴールプ
         ミハイル・ロブヒン  アレクサンドル・セルゲイエフ 

  
 アレクセイ・ミロシニチェンコ振付のコンテンポラリーを3作品集めたプログラムです。ロシア・コンテンポラリー侮るなかれ、と言いますか、斬新というか奇抜なアイディアが淡々と構成されているので面白かったです。
 それでも長期的にレパートリーに残ったり、海外遠征に持っていくことはないだろうなあと思います。理由は主に①長い。あの骨組みで各演目25~30分というのは無理があります。②キャストが若手中心。将来性に賭けるとはいっても、やっぱり今観て素敵な人が見たいので(笑)、一演目くらいはスターを投入してくれないと、どうにも求心力に欠ける…という感じでした。要するに、実験的作品なのでサービス精神に欠ける、ということだと思います。
 まず“老バイオリン弾きのように”ですが、こちらはとてもきれいな音楽にぴったり合った、きれいな作品でした。
 次の“スワン家の方へ”は、プルーストの小説の「スワン」とサン=サーンスの「白鳥」をかけた作品で、幕が開いた瞬間、一面のバーコードでビックリしました(笑) 完全なモノクロの世界で、濃ゆいメイクで淡々と踊るダンサーが良かったです。
 そして最後の“リング”ですが、これはボクシングのリングだったんですね。ヒップホップやラップが専門の音楽グループ、「2H Company」に音楽を依頼したそうです。そのラップ部分では、本当に審判役のアントン・ピモノフが歌っているようで面白かったですし、彼の抑制の効いたエネルギッシュな動きも良かったです。でもこの日一番の収穫は、なんといってもゴールプです。彼女のコケットリーは、音楽を通じて発揮されるところがすごいと思います。とはいえテリョーシキナもしなやかな動きで甲乙つけがたかったし、ロブヒンも超絶技巧で盛り上げてくれました。
 個人的に好きな若手が勢ぞろいの公演だったので、楽しかったです。繰り返しになりますが、どの作品もガラ・コンサートで15分程度の一演目として観ていたのなら、心置きなくブラボーだったと思います。
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# by jicperformingarts | 2008-01-13 19:00 | 公演の感想(バレエ)

1/10  マリインスキー劇場 「白鳥の湖」

       オデット&オディール/ウリヤナ・ロパートキナ
       ジークフリート/イワン・コズロフ
       ロットバルド/イリヤ・クズネツォフ
  
  
 ロパートキナの十八番、「白鳥の湖」ですが、踊りの調子は今日はあまりよくなかったかなとおもいます。32回転は前半にドゥーブルを織り交ぜてましたが、その分後半がグラグラになっていました。
  一方コズロフは柔和でいい人そうな王子です。王子があんなに腰低くていいのかという気はしますが(笑) ロパートキナのオデットがそれはそれは冷たかったので(彼女の場合はだからこそ美しいんですか)、「片想いかー、かわいそうにねー」と彼に感情移入してしまいました。そんなわけで第3幕(マリインスキーでは第2幕)は、あんなにつれなかったオデットがちゃんと夜会に来てくれて、しかもカモーン☆とか言ってくれたら、そりゃあ嬉しさのあまり判断力も鈍るよね、ということで騙されても物語として自然でした。
 でもこの公演で何より癒されたのはヤナ・セリナ(4羽の白鳥/ナポリの踊り)の存在でした。ミハイロフスキー劇場のタチヤナ・ミリツェワのよう、といいますか、マリインスキー・バレエを観にいくと常に彼女の名前がキャスト表にあります。けして華やかなポジションではありませんが、ある意味マリインスキーの大黒柱です。彼女がいなかったら、マリインスキーの舞台はもっとバラバラになっているのではないかと思います。
  “スペインの踊り”はベテラン対若手対決で見ごたえがありました。アンナ・スィソエワの方がいきおいはあるのですが、それでもバジェノワが熟練の勝利でした。その他、ロットバルドのイリヤ・クズネツォフはやっぱりというか、いつもどおり濃ゆくて良かったです。
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# by jicperformingarts | 2008-01-10 19:00 | 公演の感想(バレエ)

1/8  マリインスキー劇場 「くるみ割り人形」 (ワガノワ・バレエ学校)

      マーシャ/ユリアナ・チェレシケヴィッチ 
      王子/アンドレイ・ソロヴィヨフ  


 今シーズン最後のワガノワ・バレエ・アカデミー「くるみ割り人形」ということで行ってきました。が、シメとしてはそれほどいい公演でなくて、残念です。結局、一番のホープと言われるアナスタシア・ニキーチナは踊らなかったそうです。
 ユリアナ・チェレシケヴィッチは、ほっそりした美人ですが、“おっとりふわふわ”した身振りがどうも浮いてしまいます。逆に、ピケ・ターン(回転の一種です)の前にキッと進行方向を見据えるところで、あ、こっちが素なんだろうなあと思いました。アンドレイ・ソロヴィヨフは、もうマリインスキーで踊っているプロとしてはちょっと頼りない気がします。
 この日の「スペインの踊り」を踊った男の子は、チェカ・ロメロ・ホセ・アントニオというスペインからの留学生です。どこが苗字なんでしょうか。パートナーのニーナ・オスマノワがおっとりした子なので、彼の濃さがこれまたちょっと浮いてました。
 少しややこしいですが、今年度からこのアカデミーが8年制から9年制に移行した関係で、今年の最上級生は去年も最上級生です。なので、ソリストのメンツは去年からあまり変わっていないのですが、去年からどのくらいレべルアップしたのかな~と聞かれると、答えに困ってしまいます。とはいえ今回のこの改革の評価を下すにはまだまだ時期尚早なので、もう数年し待ちたいと思います。
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# by jicperformingarts | 2008-01-08 11:30 | 公演の感想(バレエ)

1/7  マリインスキー・コンサート・ホール 「魔笛」

      タミーノ/アレクサンドル・チムシェンコ 
      パミーナ/オクサーナ・シロワ
      パパゲーノ/エフゲニー・ウラノフ
      パパゲーナ/エレーナ・ゴルシュノワ  


 とっても楽しくて2時間55分があっという間でした。演出を手がけたアレン・マラトラがインタビューで「サーカスみたいな舞台構造に」と語っていたとおり、ホールの中央に四角い小さいステージを設けてその四方を客席で囲む形になっていて、装置らしい装置もないので、客席と舞台の境界がかなり曖昧です。そんなわけで、歌手(一応オペラなので…)に与えられた空間はかなり広くて、客席までめいいっぱい使って演じていました。
 特に客席を縦横無尽に行ったり来たりで(しかも声もいいので)一番目立っていたのがパパゲーノです。うら若き女性客のほっぺにチュー出来た上に、それで拍手できるなんて役得です(笑) もう一人目立っていたのがパミーナ役のオクサーナ・シロワです。まず歌手としてとてもパワフルで魅力的だし、演技も上手です。衣装が寝間着みたいなのはいただけないですが…。
 その他基本的に現代的な演出なのですが、パパゲーノの衣装が中国風だったり、3人の侍女は能面を被って登場したり、獅子舞が登場したり、という感じでした。中国か日本なのかどっちかなあと思いましたが、ヨーロッパ人がエキゾチズムを借りて「魔法の」空間を演出したわけなので、厳密に考えることはないかもしれません。
 こんな感じで皆俳優のように演じていましたが、さすがマリインスキーだけあって、各登場人物のアリアはそこだけで聞き応えがありました。
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# by jicperformingarts | 2008-01-07 12:00 | 公演の感想(オペラ)

1/6  マリインスキー劇場 「ドン・キホーテ」

      キトリ/エフゲーニヤ・オブラスツォーワ 
      バジル/ウラジーミル・シクリャロフ
      エスパーダ/アレクサンドル・セルゲイエフ 
      森の女王/タチヤナ・セロワ  


 オブラスツォーワのキトリ・デビューに興味があっていった公演ですが、シクリャーロフもこの日にバジル・デビューだったし、若手中心の公演で楽しめました。オブラスツォーワは可愛いって言われ慣れてそうなキトリでした。イヤ実際かわいいんですが(笑)この人のアラベスクはとてもきれいなので、ドゥルシネアは良かったです。踊りがまろやかすぎなところはあるのですが、パートナーのシクリャロフも同様だったので、まあこういうほのぼの「ドン・キホーテ」もアリかなと思いました。
 そのシクリャロフですが、リフトに大きなミスもなかったし、ソロでは大技を詰め込んでましたが、もう一息というところで微妙にキマらないのがこの人らしい(笑)酒場の場面では飲み干した杯を、みんな後ろに投げるのに、一人だけほぼ真上に投げてて、つい和んでしまいました。でもこんなふうにダンサーの個性が浮かび上がる舞台は観ていて楽しいです。
 そしてセルゲイエフのエスパーダです。サラッとした華があって、いい意味で「古典を踊らすには惜しい」若手ですが、マント裁きも鮮やかで良かったです。
 ただ今日は男性陣は充実してたけど、女性陣はイマイチ影が薄かった気がします。女性ジプシーのソロがないのも大きいかなと思いますが…。なお、蛇足もいいところですが、デルモ立ちの花売り娘(ヴィクトリア・クテポワ)と、谷間のあるキューピット(ヴァレリア・マルティニュック)が今日のサプライズでした。
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# by jicperformingarts | 2008-01-06 19:00 | 公演の感想(バレエ)

1/6  マリインスキー劇場 「くるみ割り人形」 (ワガノワ・バレエ学校)

      マーシャ/タチヤナ・チリグーゾワ 
      王子/セルゲイ・ウマーニェツ

 
 今のところ、今日のペアが一番良かったかなあと思います。やっぱりウマーニェツ良いです(アクセントの位置を確認したら、ウマニェーツではなくウマーニェツだったので、訂正しておきます。失礼しました!!)。チリグーゾワは様式美より華で押すタイプと言いますか、リフトで高々掲げられると自然と拍手が起こる、そういう子でした。この生徒に限らず、今年のワガノワ上級生は、「ほっそりしててともかくキレイ」というタイプが少ないです。
 今日も花のワルツにクラスナクツカヤがいました。この人、なぜかミハイロフスキー・バレエのエレーナ・エフセーエワを思い出させるなあ、と思っていたら、理由は笑顔だったんですね。とても楽しそうに踊っているので、見てるこちらも良い気分になります。
 その他、バティール・ムルタザエフが第一幕でフリッツとくるみ割り人形を踊り、第三幕ではパ・ド・トロワ(フランス)も踊るという活躍ぶり。多分まだ12~3歳だと思いますが、パ・ド・トロワではしっかり貴公子顔で、言われなければ一幕の“悪ガキ”だとはわかりません。
 それから、4日はイマイチだったヴァチェスラフ・チュチュキンが、今日のニグロ役では超高速回転でおおっと思いました。
 他にもまだまだ目に留まる子は沢山いますが、顔と名前が一致している生徒しかここには挙げられないのが残念です。
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# by jicperformingarts | 2008-01-06 11:30 | 公演の感想(バレエ)

1/4 マリインスキー劇場 「くるみ割り人形」(ワガノワ・バレエ・アカデミー)

      マーシャ(金平糖)の精/ユリア・チッカ  
      王子/イリヤ・ペトロフ 


 バレエ団の公演ではなくて、ワガノワ・バレエ・アカデミー(今は付属のバレエ学校ではないのですが、現在も密接な関係を保っています。)の生徒による公演です。
 ユリア・チッカは思わず見守りたくなる可愛らしさで得してますが、スター・オーラはまだまだ、という感じでした。ペトロフは、バネはありますが余裕はありません。ので、ノーブルさに欠けるところがありますが、髪型といい「いまどきの若者」っぽくて、こちらも可愛らしかったです。
 今回は一番ステージに近い席で観ていたので、動きのアラ、群舞の乱れ、足音などが気になって気になって、どうしても辛口になってしまいます。この至近距離に耐えうる学生を探すのはほぼ不可能とわかってはいるのですが…。
 もちろん“雪の場”でも“花のワルツ”でも目に留まる子はいるのですが、名前がわからないので、ご紹介できなくて残念です。とりあえず、“花のワルツ”の4人のソリストの中にいたクラスナクツカヤが、好みは別にしても、パキパキっとしてて一際目立っていました。
 今日も“中国の踊り”は日本人でミホ・ヨシカさんという方でした。その他、くるみ割り人形とフリッツの二役を演じたセルゲイ・クルィロフが、まだちっちゃいのに芸が細かくて感心です。彼だけではなくて、細かいところを見れば見るほど、みんなしっかり演技していて驚かされます。世界的にバレエ学校の水準が低下している昨今、やっぱりワガノワ・バレエ・アカデミーは世界最高峰ということでしょうか。
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# by jicperformingarts | 2008-01-04 19:00 | 公演の感想(バレエ)

1/4 ミハイロフスキー劇場 「カモメ」(エイフマン・バレエ) 

トレープレフ/オレグ・ガブィシェフ  ニーナ/マリヤ・アバショーワ
 トリゴーリン/ユーリ・スメカロフ  アルカーディナ/ニーナ・ズミエヴェッツ


 ミハイロフスキー・バレエは現在日本ツアー中なので、これは「芸術広場フェスティバル」の一環として、エイフマン・バレエを招聘した公演です。100ルーブリの立見席のチケットを発行しすぎたのか、満席も満席、クロークも満杯でコートを預かってもらえませんでしたし、立ち見する場所を探すのさえ一苦労でした。12月の公演もほぼ満席だったので、それだけこのカンパニーの評価が高いということでしょうか。
 さてこの「カモメ」、チェーホフの戯曲をバレエシーンに置き換えた作品なので、ヒップホップあり、クラシックありと、ともかくダンスづくしですが、話の枝葉は削いであるので難解な印象は受けませんでした。若手ダンサーのニーナと若手振付家のトレープレフ、それから有名振付家のトリゴーリンと有名ダンサーのアルカーディナ、という二組のカップルが軸になるのですが、筋書き上でも舞台上でもパートナー・チェンジがめまぐるしかったです。そしてすれ違いの末に別離、というお話です。「狂うほどの気力もない」感じがとってもチェーホフでした。
 もちろんアイディアにおおっと思う演出も盛りだくさんですが、今回は振付そのものに目が行くことが多かったです。ダンサーが良かったから、というのが大きいと思います。
 まずアバショーワが素敵でしたし、ズミエヴェツも健闘してました。ガブィシェフは始終女の子を追い掛け回してはひっぱたかれ、という役回りなので、イマイチ見せ場が…と思っていたら(舞踊的にはもちろんあるのですが)、ラストの鬱~な感じがとってもよかったです。 スメカロフは黒の衣装が大層似合ってました。どの組み合わせになっても、リフトが全く危なげないところがすごいです。
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# by jicperformingarts | 2008-01-04 19:00 | 公演の感想(バレエ)


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エルミタージュ・バレエ
クレムリン・バレエ
モスクワ・シティ・バレエ
エイフマン・バレエ
タッチキン・バレエ
ヤコブソン・バレエ(サンクト・ペテルブルク・アカデミー・バレエ)
パンフィーロフ・バレエ

■コンサート
モスクワ音楽堂
チャイコフスキー記念モスクワ・コンセルヴァトーリア
チャイコフスキー記念コンサート・ホール(*Moscow Philharmonic Society)
ボリショイ・ザール(*マールイ・ザールと共通)

■その他(編集中)
サンクト・ペテルブルク国立児童音楽劇場
アレクサンドリンスキー劇場
マールイ・ドラマ劇場
ヴォルコフ・ドラマ劇場(ヤロスラヴリ)

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