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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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HP更新記録(2019.6.23):モスクワ・ペテルブルク7月公演予定

7月モスクワの公演予定を作成しました。
7月サンクト・ペテルブルクの公演予定を作成しました。

 7月の公演予定を更新しました。7月は、ぼちぼち付属のオペラ団・バレエ団が夏休みに入るため、貸館公演が増えています。モスクワのボリショイ劇場では、ロストフ国立音楽劇場やノヴォシビルスク国立バレエ団など、ロシア国内の有力なカンパニーの公演も行われますが、英国のイングリッシュ・ナショナル・バレエ団も招聘され、アクラム・カーン版「ジゼル」を上演予定です。
 この作品は日本でも上映されたので、ご覧になったダンス・ファンも多いと思いますが、完全に古典演出とは異なり、徹頭徹尾重苦しい作品です(評価自体は高いですが…。)。旅の思い出にロシアできれいなクラシック・バレエを…と思っている方には、同日に上演予定の中世の騎士物語バレエ「ライモンダ」の方を強くオススメします(笑)

 

by jicperformingarts | 2019-06-24 08:54 | HP更新記録 | Comments(0)

2019.6.1ブリヤート国立バレエ『青い鳥を探して』(於:マリインスキー沿海州劇場)

メグミ・サカノ 
エケル・フナカア
ハルカ・ウエムラ

 60分の一幕バレエです。チルチルとミチルとその仲間達の登場から、冒険中に出会う方々とのエピソードまで、ひたすら踊りで語られます。子供向けバレエでは登場人物に動物が多くなる傾向があるのですが、やはり着ぐるみは…うーん正直厳しい…、という部分あり、あと衣装もところどころ原色が強すぎて、好みではないところもありましたが、装置は全体にシックで、プロジェクション・マッピングもちゃちくなく取り入れており、青い鳥のチュチュも繊細で、演出全体でみて子供だましな印象はありませんでした。
 「母の愛の妖精」が出てくるところはこのバレエ独特な点かもしれませんが、基本的にメーテルリンクの小説に忠実な演出です。チルチル(エケル・フナカア)とミチル(メグミ・サカノさん)は、犬のチロや、砂糖、パン、ミルク、火、光の精と青い鳥を探す旅に出て、思い出の国や、夜の宮殿や光の部屋、森、庭園を旅し、家に帰ってくると、クリスマスのプレゼントに青い鳥の入った鳥かごが母親から贈られる、というものです。

 ミチルと青い鳥(ハルカ・ウエムラさん)と、日本人女性がお二人活躍していました。童話の青い鳥、という役どころなら、『眠りの森の美女』のカナリヤを青くしてもいいのかもしれませんが、この演出では意外なほど謎めいた存在に描かれています。どちらかというと、『火の鳥』から獰猛さを抜いたような感じです。また、小鳥という点では『シュラレー』のシュユンビケとも比較したくなりますが、シュユンビケの快活さともまた違います。原作の粗筋を改めて調べてみると、捕まえようと思っても捕まえられない、捕まえようとすれば苦難が伴う、捕まえたと思ったら死んでしまう、そしてまたどこからか姿を現す、という非現実の象徴ともいえる存在とのこと、ファム=ファタール性もあるのかもしれません。

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Photo:JIC旅行センター
マリインスキー沿海州劇場はとても近代的で美しい建築でした。


by jicperformingarts | 2019-06-04 08:28 | 公演の感想(バレエ) | Comments(1)

2019.5.31 ブリヤート国立バレエ『タリスマン』(於:マリインスキー沿海州劇場)

アンナ・ペトゥシノワ
バイール・ジャンバロフ
ミハイル・オフチャロフ

 ロシアは連邦制国家なので、ロシア国内にいくつか共和国がありますが、その一つ、バイカル湖沿いのブリヤート共和国にあるブリヤート国立バレエ団が、ウラジオストクのマリインスキー沿海州劇場で遠征公演を行いました。鉄道網があるので、モスクワ・ペテルブルク等のバレエ団の日本公演とは単純な比較はできませんが、『白鳥の湖』『くるみ割り人形』の定番演目から、『麗しのアンガラ』『タリスマン』『青い鳥を探して』等珍しい演目まで、全幕5演目の装置・衣装を持ってくるのは単純にすごいです。
 なお、背景として、ロシア連邦政府の施策として2019年はロシア劇場年となっており、各種イベントに加えて、ロシアの主要な劇場のロシア国内のツアーも集中的に支援されており、その一環として、ブリヤート国立バレエ団が極東ツアーを行ったものです。逆に、マリインスキー沿海州劇場というハコ(ハード)の側から見ると、ブリヤート国立バレエ団の他にも各種カンパニーが公演を行います。ロシア語版しかありませんが、劇場年のHPはこちらです。やるとなったらやはりロシアはスケールが大きいです。
 
 今回観た『タリスマン』は、ガラ・コンサートやコンクールではそれなりに上演頻度が高い作品ですが、全幕では上演されなくなって久しく、ブリヤート国立バレエ団の芸術監督の岩田守弘さんのブログによれば、今年4月に同バレエ団で新制作され、おそらく世界でこのバレエ団だけが上演している、とのことです。コンサート・ピースとしての『タリスマン』のアダージョ(アントレや男性ソリスト登場の部分等)などで一部同じ音楽が使われていますが、基本的にコンサート・ピースと全幕では別作品と思って良さそうです。

 粗筋をざっくり御紹介します。 
<プロローグ>天霊の女王アムラヴァティは、風の神ヴァイユを護衛に付け、お守り(タリスマン。これがあればいつでも天空に帰れる)の星を与えて、娘ニリチを下界に修行にやる。その際アムラヴァティはニリチに、決して人間に恋をしないよう言いつける。

<第一幕>ニリチとヴァイユが降り立ったのはインドで、若き藩主ヌレディンは、ニリチに一目惚れする。ニリチは、ヌレディンから逃げる際、タリスマンを落として行ってしまい、ヌレディンがそれを拾う。

<第二幕>ヌレディンは王の娘ダマヤンティと婚約していたが、ニリチが忘れられない。結婚式の前に、一人になったヌレディンの元にニリチが現れ、タリスマンを返して欲しいと懇願する。益々彼女の虜になったヌレディンは、結婚式の場で、ダマヤンティに婚約破棄を言い渡し、激高した王の戦士との闘いになるが、ここでヌレディンに死なれてはタリスマンを回収できない、と考えたヴァイユが魔力でヌレディンを助ける。

<第三幕>今度は、ヴァイユが僧正、ニリチが奴隷娘に扮して、ヌレディンの前に現れる。ニリチの踊りに魅了されたヌレディンが彼女を買受けようとすると、僧正は代金としてタリスマンを求める。タリスマンを手放したくないヌレディンは、僧正をへべれけにさせ、その隙にニリチを攫う(※公演会場で購入したリーフレットの粗筋には書いていませんが、ヌレディンは、僧正と奴隷娘がヴァイユとヌレディンであると看破してます)。ニリチを自分の邸宅に連れてきたヌレディンは、彼女に愛を伝え、自分の元に留まって欲しいと懇願するが、ニリチは母親との約束を破ることはできない、タリスマンを返してもらえないなら死ぬしかないと言う。苦悩の末に、ヌレディンがニリチにタリスマンを返す。彼女は天空に帰ろうとしたものの、ヌレディンの想いに心動かされ、ヌレディンの元に留まることを選ぶ。

 今回上演されたアレクサンドル・ミシューチン版は、原典版に忠実ではあるようですが、復元バレエというほど厳格ではなさそうです。例えば、原典版では、第三幕、ニリチがヌレディン袖にした後、自分が振られたことに逆上してタリスマンを彼女に投げつけるのですが、この演出では、ニリチの拒絶に傷つきつつも、葛藤の後、彼女にタリスマンを差し出します。また、上記粗筋ではさらっと書きましたが、かなりヌレディンの愛情表現は熱烈である一方、ニリチが手で制止したら大人しく距離は保つ等、だいぶ紳士的です。
 という感じで、おそらく現代人の感性に合うように、多少アレンジされていますが、全体として、衣装・装置含め、帝政時代のロシア・バレエの品格はかくありき、と思わせる王道の演出です。第二幕で結婚式を前にしたヌレディンの前にニリチが現れるところは『眠れる森の美女』の幻影の場を彷彿とさせますし、『ジゼル』のペザント・パ・ド・ドゥのような織物職人とその恋人の踊りあり、キャラクター色の強いバザールの場面ありと、プティパらしい様式がはっきり見える作品です(悪く言えば、どの場面もどこかで見た感が…)。また、四大元素として、地・水・風・火の4人の女性ソリストも出てくるあたり、プティパ以前からの帝政バレエの風情も漂いますが、どうせなら、この4人にもソロ・パートが欲しかったです。
 
 バレエ団については、身体能力がずば抜けた人がいるかといえばそうではなく、皆さん普通にミスはするのですが、上体と脚のコーディネーションに優れた人が多い印象です。そして、群舞でも6人の踊りでも、基本的な音の取り方なり腕の角度に統一感があり、まとまりの良いバレエ団に思いました。

 ニリチ役のアンナ・ペトゥシノワは、高速フェッテは美しくなかったですが(というかあのスピードで綺麗に回れる人は果たして世界中で何人存在するのか…)、腕の使い方がなめらかで、何気ない後ろタンジュなど、ポーズの一つ一つも洗練されています。自然な笑顔も魅力的です。
 
 ヴァイユ役のバイール・ジャンバロフは、第三幕の千鳥足など、見せ場が多いです。粗筋上はヌレディンの方が主役なのですが、舞踊上は同じ位の存在感です。おそらく、コンサート・ピースとしての『タリスマン』の男性ソリストもヴァイユをイメージしてる気がするので、ガラ・コンサートやコンクールでの男性の神々しい大技の数々を引きずると(同じソロを踊るわけではないのですが)、物足りない気がしますが、しかしこの役、全幕では、守護神なのに下界に降り立ったニリチを民家に放置してどこかに行っちゃうし(その隙にヌレディンがニリチを見つけます)、第三幕では泥酔してニリチを攫われるなど、失態も多いので、全幕のヴァイユはこれでよいのかもしれません。 

 ヌレディン役は、ミハイル・オフチャロフ。サポートが上手で、リフトも変なもたつきがなく、すぱっと女性が綺麗に見えるところで決まります。跳躍が特に高いわけでもなく、柔軟性やバネ含む身体的な条件はさほど良くないかもしれませんが、上体と脚のコーディネーションが上手く、大変失礼な言い方になりますが、バレエの力学を味方に付ければ、この条件でもここまでの踊りができるのか、と思いました。



by jicperformingarts | 2019-06-02 21:09 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)


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