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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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エカテリンブルク国立劇場:第98シーズン開幕

エカテリンブルク国立劇場は、9月24日(木)のオペラ『フィガロの結婚』にて第98シーズン開幕となります。また、シーズン初めののバレエ公演は、翌日9月25日(金)の『愛と死』だそうです。その後、9/26(土)オペラ『魔笛』、9/27(日)バレエ『ジゼル』、9/29(火)オペラ『セビリアの理髪師』、9/30(水)バレエ『ラ・シルフィード』と、いいペースで公演が予定されています。

Photo:JIC旅行センター
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HPにて、第98シーズンに予定されているプルミエ(新作)が紹介されていますので、転記します。参照した公式HPはこちらです。

オペラ『皇帝の花嫁』(11月26、27、28日) 
音楽:リムスキー=コルサコフ
演出:ミハイル・パンジャヴィゼ
(ボリショイ劇場とかタタール国立バレエと仕事をしている演出家です)
美術:イーゴリ・アガノフ

こども向けオペラ『ヘンゼルとグレーテル』(12月25日)
音楽:エンゲルト・フンパーディング
演出:アリーナ・チェヴィク(モスクワ・オペレッタ劇場)
美術:ドミトリー・チェルバジ
by jicperformingarts | 2009-07-30 23:03 | その他劇場公式発表 | Comments(0)

ボリショイ劇場:ロシア・ナショナル管弦楽団のフェスティバル

ミハイル・プレトニョフ率いるロシア・ナショナル管弦楽団が、9月7日~13日までモスクワのボリショイ劇場でフェスティバルを主催します。なかなか盛りだくさんな催しのようですので、公式HP上のプレイビルがpreliminary(暫定)になっているのが不安ですが、ロシアに限っては、「暫定」でなくても変更することがあるので、ご紹介してしまいます。

9月7日(月) チャイコフスキー:交響曲第5番&第6番
9月8日(火) モーツァルト:オペラ『魔笛』(演奏会形式)  
           ルーシー・クロウ(イギリス)
           クリストフ・ゲンツ(ドイツ)
           ティム・マーフィン(イギリス)
           ジモーネ・ケルメス(ドイツ)
           シュテファン・ゲンツ(ドイツ)
9月9日(水) モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲
       モーツァルト:「グラン・パルティータ」
       グリエール:ホルン協奏曲
       スクリャービン:交響曲第4番(法悦の詩)

           マイケル・コリンズ(イギリス)
           マクシム・ルブツォフ
           スヴェトラーナ・パラモノワ
           アレクセイ・セロフ
           ヴラディスラフ・ラブリク
9月10日(木) チャイコフスキー:ピアノ協奏曲
             シューマン:交響曲第3番

           スティーブン・ハフ(イギリス)
9月11日(金) グリーク:『ペール・ギュント』
9月12日(土) モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
       Getti:The Ancestor Suite
       チャイコフスキー:バレエ『白鳥の湖』より組曲
       (振付:ウラジーミル・ワシーリエフ)

            コンラッド・タオ(アメリカ)
9月13日(日) 閉幕ガラ・コンサート
        グラズノフ、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、サラサーテ、
        サン=サーンス

            セルゲイ・クルィロフ
by jicperformingarts | 2009-07-26 22:59 | フェスティバル情報 | Comments(0)

HP更新情報

9月公演予定のページを作成しました。
>>>モスクワ   >>>サンクト・ペテルブルク


久しぶりにロシアに行ってきました。少し回復はしましたが、まだまだル-ブル安だなあと両替の度に実感しました。ということで(?)、そこまでレートにこだわるわけではないけれど、なるべくいいレートで両替したい、という方のために、簡単なコツを挙げてみます。
 まず、円から直接両替するよりドル/ユーロ経由の方がお得(特にペテルブルクではユーロの方が有利です)、ホテル・空港は避けるといった基本事項があります。
 では更に、市中のどの両替所を選べばいいのか、というと、簡単な見分け方は売値と買値の差に着目することです。1ユーロ/ドル当たり0.4ルーブリくらいであれば良心的、0.6ルーブリくらいなら許容範囲かな、と思います。逆に0.1以下である所は、「10,000ユ-ロ以上両替する場合」という、実際はほぼあり得ない額を条件にした囮レートである可能性が高いので、レートが示されたボードの隅に「OT 10,000」(OT=From)といった記載がないか、確認した方がいいと思います(やけにいいレートだな、と思った時も)。
 この「OT …(数字)」ですが、別にこういう条件であるから悪徳業者というわけではなく(笑)、「OT 500」(500ドル/ユーロ以上)といった、現実的なサービスであることも多いです。ロシアでは、コミッションをレートに含めず、取引一回につきいくら、という方式で徴収していることもあるので、まとめて両替してこういうサービスを使ってしまう方が、あれこれレートを考えるよりお得だったりします。

    (全く関係ないですが、クラスノヤルスクでみつけたニワトリです。3mくらいありました。)
    Photo:JIC旅行センター
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by jicperformingarts | 2009-07-25 22:10 | HP更新記録 | Comments(0)

7/18 ボリショイ劇場『パリの炎』

マリヤ・アレクサンドロワ
デニス・サーヴィン
ニーナ・カプツォーワ
イワン・ワシーリエフ


 いわゆる復元バレエなのですが、マリインスキー劇場の『眠れる森の美女』『バヤデルカ』などよりは楽しかったです。それが『パリの炎』を振りつけたラトマンスキーの手腕なのか、単に初演(1933年)が私たちに近いからかはわかりません。「リナルドとアルミード」という劇中劇が延々と続く辺りは、まさに復元バレエですし、冗長な上に突拍子もない演出もあります。が、お祭り的に盛り上がる場所も用意されています。よくコンサートで上演されるパ・ド・ドゥ以外にも、ステップが力強くて血沸き肉躍る群衆の踊りがてんこもりでした。

 そんな群衆のなかで、アレクサンドロワ演じるジャンナはマルセイユから来た器量よし・気風よしの農民の娘で、ちょっとのけぞって後ろ向きにステップを踏むところは、その力強さには圧倒されます。トリコロールの旗を持って群衆を鼓舞するところは、ドラクロワの女神の絵画そのまんまでした。
 そんな彼女の恋人の義勇兵フィリップは、ワシーリエフでした。ちょっとワイルドを狙っているらしい彼にとっては、楽しい役柄ではないでしょうか。
 ジャンナの兄役のジェロームは農作業で鍛えてるけどちょっと頼りないです。デニス・サーヴィン演じる彼は純朴そうなところが好印象です。
 そんな舞台の中の可憐担当が、ジェロームを助けた縁で彼と恋仲なった貴族の娘アデリーナです。薄幸そうな透明感があるカプツォーワはまさにはまり役でした。踊りらしい踊りはジェロームとのアダージョくらいですが、義勇軍にさえ温かく受け入れられる人柄の良さ、でありながら王侯貴族を模した人形がバラバラ死体にされるところを見てショックを受けるところ、また処刑される父親をどうしても見捨てられないところなど、非の打ちどころのない悲劇のヒロインです。
 という4人を軸にお話は展開していくのですが、筋書き上まったく意味は無いながらも非常に重要なポジションを与えられていたのがアンナ・アントニーチェワ演じる「女優」でした。踊りはさすがです。アティチュードのままホップでくるくるまわるところは、脚の角度が全く変わりませんでした。が、彼女の相方のヤチメンニコフは…ピルエット3回転であれば、きれいに止まって欲しい所です。
 
 それにしても、後味の悪さは抜群の作品です。ネタバレになってしまうので、以下、薄字でエンディングの感想を書きます。
 アデリーナ以外は死なないのですが、大好きなアデリーナを助けられずにうなだれる3人。特に恋人のジェロームは錯乱しているところにとどめのように見知らぬ(?)おばあちゃんにアデリーナの首を、ん、と渡され、勇敢に戦うジャンナ・フィリップ・群衆の幻の中に埋没していく、というものです。革命で勝利した華やぎは当然ゼロですが、いわゆる慟哭というものもありません。命がけで戦って得た勝利のはずが、自分の恋人の首を切り落とす結果になってしまったという虚脱感で終わってしまいました。
by jicperformingarts | 2009-07-18 19:00 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

7/17 Ballet on Ice 『くるみ割り人形』(バルチースキー・ドーム)

 スケート・ショーとバレエのコラボレーションです。既に来日したことがあるので、もう観たことがあるという方もいらっしゃると思います。今回の会場は、バルチースキー・ドームで、最寄り駅はゴーリコフスカヤ…のはずだったのですが、なんと駅そのものが取り壊されてなくなっていました(笑) その後、再建築されるとのことですが、それにしても、路線図に一言かいておくなり、アナウンスしてくれるなりしてくれても…と思わず苦笑いです。
 そんなハプニングはさておき、肝心の公演の第一印象は、舞台が小さい!でした。普通のホールに、スケートリンクを載せるわけなので、当然コンパクトなリンクになるわけです。スケーター達も、確かに窮屈そうに感じられる箇所は少なからずありましたが、もともと舞台としてはこのくらいの広さの方が、ドラマの密度が保てていいのではないかなー、とも思います。
 難点としては、舞台上のスケートリンクの部分が、上手奥以外は袖まで続いていない、ということでしょうか。氷の分、10センチほど高くなっているので、スケーター達がはける度に、ヨイショっとリンクから降りてガシガシ歩くところが見えてしまうので、それが群舞10数名になると、どうにも美しくない…と。それから、皆が皆一流アスリートというわけではないので、特に群舞の氷をザリザリ削る音が大合唱化していて、あまり耳に快くない時もありました。
 と、悪口を書いてしまいましたが、『くるみ割り人形』全幕を通してスケートで観るのは、新鮮でした。全般に、バレエよりスケートの方が弦楽器との相性がいい気がするので、特に一幕後半でクリスマス・ツリーがにょきにょき大きくなる所など、振り付けが上手く音楽を盛り上げてくれた気がします。
 肝心のスケーターですが、主役の二人はプロ・スケーターらしく、狭いリンクでとても器用にリフトをこなしていました。その他、チャイナを踊った女の子がとても快活でかわいらしく、主役よりも大きい拍手をもらっていました。
by jicperformingarts | 2009-07-17 19:00 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

7/16 ノヴォシビルスク劇場 「ディアギレフ・ガラ」

「ショピニアーナ」 アンナ・アジンツォーワ / ロマン・ポルコーヴニコフ
            ナタリア・ファチェーエワ  オリガ・チェリュ-パ

「薔薇の精」 アントンコルサコフ ヴェラ・サヴァンツェワ
「だったん人の踊り」 マクシム・グリシェンコフ
「シェヘラザード」 ナタリア・エルショワ / イーゴリ・ゼレンスキー

 
 シーズン閉幕イベントではあったのですが、13日のガラ公演の方が色々豪華だったり(笑) 通常のフォーキン・プロとあまり変わらない構成ではありますが、2007年11月にも似たような公演を観ていたので、バレエ団の成長(急成長とまではいきませんが)が垣間見えて、個人的には楽しめました。
 
 まず「ショピニアーナ」ですが、マイナスイオンに満たされた舞台空間に妖精の世界を感じてしまい、不覚にも感動してしまいました。
 新人と思われるナタリア・ファチェーエワは、アラベスクでも跳躍でも身体能力をひけらかすことなく、好印象です。また、主役のアジンツォーワも同じ系列のダンサーですが、先輩らしい風格が出てきたように思います。全体に、地方劇場にしては首は細くて手が長い人が多いので、ポール・ド・ブラ(腕の動き)を堪能させて頂きました。
 詩人を踊ったポルコーヴニコフは、後方に伸ばした脚にまで神経が行き届くようになれば、世界水準なのではないでしょうか。

 次は「薔薇の精」ですが、コルサコフはマリインスキー劇場からのゲストです。テクニック的にはきっちりまとめていましたが、妖しげな魅力はありませんでした。サヴァンツェワも、身体能力・ルックスは期待大の新人ですが、あまりしとやかな印象はなく(笑)、この作品の身上である、妖しげな薔薇の精と、無垢な少女のコントラストが織りなす禁断の香りはイマイチでした。このペアは、別の作品で見たかったなあと思います。

 「だったん人の踊り」は、相変わらず気合いバッチリでした。民族舞踊アンサンブルの学校から、バレエ学校にスカウトされた生徒も多いと聞いたことがありますし、ノヴォシビルスクはカザフスタンやモンゴルからも近いので、運動神経がいい人が多いのかな、という気もします。特に男性に力強い人が多いのは、ペルミやエカテリンブルク、カザンにもあてはまるので、ノヴォシビルスクだけに限ったことではないのかも知れませんが…。
 なお、前回観た時、この衣装とメイクはちょっとひどすぎる…(笑)、と思ってしまったのですが、衣装とメイクは新調されたようです。

 そして13日と同じ「シェヘラザード」ですが、この日の金の奴隷もゼレンスキーでした。お相手は、このバレエ団の看板のナタリア・エルショワですが、カザフスタン出身のスレンダーなクールビューティーということで、ゾベイダ役ははまっています。まだまだ若手なので、あっさりゼレンスキーに主導権を奪われてしまった感がありましたが(笑)、そのおかげでお堅い印象は少し払拭されたかな、と思います。   
 
by jicperformingarts | 2009-07-16 18:30 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

7/13 ノヴォシビルスク国立劇場「イーゴリ・ゼレンスキー・ガラ」

イーゴリ・ゼレンスキー
ウリヤナ・ロパートキナ マリヤ・アレクサンドロワ
レオニード・サラファーノフ イワン・ワシーリエフ 
ナタリア・エルショワ アンナ・ジャロワ イワン・クズネツォフ ロマン・ポルコーヴニコフ など


 ノヴォシビルスク・バレエの芸術監督である、イーゴリ・ゼレンスキーのガラ・コンサート(リサイタル)でした。日本でもおなじみのダンサーが多く出演していたので、少し詳しく感想を書きます。

 まず第一部は『Immortal beloved』(丁度『不滅の恋』という邦訳で同名の映画がありますが)。既に何度かこのバレエ団と仕事をしているエドワード・リヤンの新作です。シャンデリアの残骸のような装置、黒を基調にした空間だったこともあり、「不滅」というタイトルに反し、最後のシーンを観て葬列を連想してしまいました。ゼレンスキーを先頭に、6人の男性ダンサーが踊るところなど、渡り鳥を思わるものの感傷的にならない、ということで、ロシアのべたべたメノドラマ風コンテンポラリーにはないクールさがありました。
 主役のゼレンスキーですが、ものすごいハイスピードで超絶技巧をこなしていましたが、スピードを優先させた結果、伸びやかさは抑えられている印象。

 第2部は小品集です。トップバッターはイワン・ワシーリエフの『スパルタクス』より蜂起の場。元々このバレエ団はグリゴロヴィッチ版『スパルタクス』をレパートリーに持っていることもあり、群舞つきでした。一人一人観ていくと、ちょっと跳躍が弱いかなあとは思うのですが、物量作戦の勝利というか、群舞つきのおかげで迫力はありました。
 次に『ヴェニスの謝肉祭』を踊ったのは、エレーナ・ルィトキナと、イワン・クズネツォフ。クズネツォフは、モスクワ音楽劇場から移籍したばかりです。地方劇場→中央(ペテルブルク・モスクワ)→ヨーロッパという人材流出が止まらない昨今に、彼のこの逆行キャリアは非常に珍しいです。一体どんな手を使ったんだ、とは思いますが(笑)、単純にほっとする事例です。背はそれほど高くはないですが、筋肉質な踊りで、特に終盤にかけてメキメキ調子を上げていくところが頼もしいです。ルィトキナは、ちょっとギャル系で、バレエファンにはイリーナ・ゴールプ系統といった方がイメージしやすいでしょうか。
 そして次がエドワード・リヤン振付の『Distant Cries』ですが、これは作品としてとてもいいと思います。ナタリア・エルショワとロマン・ポルコーヴニコフのパフォーマンスもとても良く、リフトの一つ一つまで堪能させていただきました。
 更にレオニード・サラファーノフとアンナ・ジャロワの『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』と続きますが、割とムキムキした男性陣の続く中、彼のキレの良さは新鮮な魅力がありました。ソロが良かっただけに、サポートの不安定さが残念ですが、アンナ・ジャロワが小柄なだけにコントロールの行き届いた踊りで、破綻なくまとまった演目です。
 そんな感じでわき上がっていた会場を一気に沈黙させた次の演目が、ロパートキナの『瀕死の白鳥』です。言葉を失うほどの美しさといっていいと思います。
 ということで書くこともないので第二部最後の演目に移りますが、このマリヤ・アレクサンドロワとイワン・ワシーリエフの『ドン・キホーテ』は、もりあがりました。12日にモスクワで彼女の『コッペリア』を観て、翌日にノヴォシビルスクで彼女を再び観られるとは(笑)驚きですが、ともかくも、お見事!なキトリでした。深紅の衣装も、扇の使い方も、足裁きも、全てが「盛り上がってちょうだい!」と言っているかのようでした。パートナーのワシーリエフは、片手でアレクサンドロワをリフトしていたり(ちょっと危うかったですが)と、なんといっても『ドン・キホーテ』ですから、何をしてもやり過ぎにはなりませんし、もう存分に盛り上げてください、という感じです。

 そして第3部がロパートキナとゼレンスキーの『シェヘラザード』です。お相手が氷のロパートキナなので、ゼレンスキーも陥落させ甲斐があるんだろうなあと思いました。
 冒頭のゾベイダは艶やかながらどこか厭世的というか、媚びなくても手を伸ばすだけで男がひれ伏すことに慣れきってしまって、今更そういう単調な後宮に何の期待も寄せていない様子。王から貰った真珠のネックレスで宦官をじゃらして鍵を奪うところも、実に鮮やかなお手並みではありますが、特に何らかの衝動があってやったわけではなく、いい暇つぶしにはなる、程度だったように思います。
 そんなロパートキナの演じるゾベイダは金の奴隷と踊るうちに、次第に色々解き放たれていき(笑)笑顔さえ見せるようになるのですが、この笑顔が常軌を逸した情熱を感じさせて、悲劇的な結末を予感させます。そして王に見つかって後宮中皆殺しになった後の彼女の茫然自失ぶりもすさまじく、自害するのも必然という感じでした。ロパートキナのゾベイダはあまり好きではなかったのですが、この公演ではテクニカルな演技以外の情熱が感じられてとても良かったと思います。
 付け足しのようになってしまいますが、こういうロパートキナが観られたのも、舞台上で彼女と対等に張り合える(ちゃんと「金の」奴隷になる)だけの風格がある、ゼレンスキーの功績も大きかったのではないでしょうか。
 
 余談ですが、この日はゼレンスキーの誕生日だったそうで、劇場にはいると、入場客全員にシャンパンの大盤振る舞い、更にご丁寧に祝電ボードのようなものまであって、びっくりしました(笑) この祝電の差出人をみると、ミハイル・バリシニコフ、ナタリア・マカロワといったもはや伝説のダンサーから、パリ・オペラ座、NYCB、ボリショイ劇場、マリインスキー劇場の監督、世界的な指揮者のワレリー・ゲルギエフの名前までありました。
by jicperformingarts | 2009-07-13 18:30 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

7/12 ボリショイ劇場 「コッペリア」

マリア・アレクサンドロワ
ルスラン・スクワルツォフ


  飛行機の時間が迫っていたため、2幕までしか観られませんでした。3幕が、見どころなのに…、ということでバレエ・ファンにあるまじき所業です。ヴィハレフ復元版ということで、以前ノヴォシビルスクで観た演出とよく似ていますが、衣装が(主役限定で)こちらの方が原色ばりばりでした。装置は多分それほど違いませんが、今回見たボリショイ新館の舞台は結構せまいので、その分密度は高かったです。

 主役はマリア・アレクサンドロワ。実は、今回まるでアレクサンドロワのオッカケ旅行のようになっていました(笑) まったくの偶然なのですが、その八面六臂ぶりに、感服です。
 気が強い割に女子力が高くて、スワニルダの役に合っていました。それにしても2幕は楽しそうです。舞台を縦横無尽にやりたい放題でした。少し前に日本でローラン・プティ演出で同作品を観ましたが、ヴィハレフ版の方が人形の装置が多いので、いたずらのしがいもあるというもの。コッペリウスの魔術書に至っては、ただ踏みつけるだけでは飽き足らず、ご丁寧にドスンドスンと力いっぱいジャンプして踏みつけていました。
 踊りもいつも通り鮮やかでした。モスクワ系の達者なダンサーのアラベスク、アティチュードといった脚を高く上げるポーズは、「私はここに脚をもってくる」という意思がパシッと見えるので好きです。とりあえず上がる所まで足を上げて、それに合わせて上体の位置を修正する、というブレがないのがすごいなと思います。

 スクワルツォフは、いい人そうなところが、この役に求められる「おマヌケ感」にうまく活かされていて良かったと思います(笑) もちろん、バネのある跳躍は、やんちゃなフランツ役にも合っていたと思います。3幕まで観ていれば、もっといろいろな感想がかけたんですが。。。

 と主役二人はこんな感じだったのですが、今回驚くくらい迫力満点だったのは、群舞の踊るマズルカでした。この「コッペリア」といえば東欧系の民族舞踊が切り離せないのですが、そう言えばダンサー大量投入のマズルカ、チャールダーシュをこのカンパニーでしみじみ観たことがなかったことに気が付きました。「ザ・濃ゆい人」の印象しかなかったティモフェイ・ラヴレニュークが、とてもかっこよく見えましたし、ヴィクテミーロフも新たな魅力発見でした(単に私が知らなかっただけですが…)。 
by jicperformingarts | 2009-07-12 22:24 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

7/11 ボリショイ劇場 『シンデレラ』

アナスタシア・ヤーツェンコ
アレクサンドル・ヴォルチコフ


さすが観光シーズンのボリショイ劇場、ということで一番安い席でも1850ルーブリでした。といっても日本円にすると6000円程度なので、貧乏な私にとっても十分許容範囲です。ボリショイ劇場のチケットをインターネットで購入したのは初めてだったのですが、特にトラブルはおきませんでした。

ユーリ・ポーソホフが振付けた作品で、モダンとクラシックの中間という感じです。作家の中の物語世界という設定だそうで、狂言回しと仙女をこの作家が兼ねるほか、あちこちで重要な役目を果たします。また、惑星をモチーフにした装置など新鮮で面白かったのですが、振り付け自体は、音の使い方を含め無難すぎるかな、という印象を受けました。仮面ライダーのような衣装のバッタのお兄さんや、シースルーのティーポットの衣装のお姉さんが出て来るので、もうちょっと冒険した振り付けのほうがバランスとれていてよかったのではないかと思います。

主役のアナスタシア・ヤーツェンコは、もともと割と好きなソリストだったのですが、今回初めて主役で観て、好感度が急上昇です。テクニック的には磐石というわけではなく、跳躍はぎりぎり180度開脚するくらい、ソロでは一度グラッときてましたが、シンデレラですし、多少スキがあるほうがかわいらしいというもの。イキイキ掃除をするところや、招待状をもらって心をときめかすところが特に魅力的でした。この演出では、2幕の舞踏会のシーンで階段の手すりがすべり台のようになっていて、シンデレラがつるーっとそこから降りてきて、王子の腕の中にダイビングして二人の運命の出会い(笑)となります。ここで、彼女はベテランらしい「恥じらい感」を存分に振りまいていて、おじさんキラーの素質を感じました。

王子のヴォルチコフは、いくらなんでも眉毛濃く書きすぎです。そして終始神妙な顔で踊っているので、童話の王子様というふわふわ感はありませんでした。かといって愛を感じないというわけではなく、ソロの前でも、シンデレラに「見ててね」と言っているように見えましたし、コミュニケーションは密な印象。が、見ててねといったそのソロがヘロヘロだったのはいただけない(笑) 登場のシーンでは、跳躍、回転ともにきっちりキメていただけに、その持久力のなさが惜しまれます。

その他、ダンス教師のゲンナジー・ヤーニンの華麗な脚裁き、四季の精のうち「冬」を踊ったコバヒーゼの笑顔が印象的でした。
by jicperformingarts | 2009-07-11 19:00 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

HP更新情報

8月公演予定のページを更新しました。
>>>モスクワ   >>>サンクト・ペテルブルク


普段ご紹介している劇場は、8月はシーズン・オフになってしまうことが多いので、別の劇場の公演予定を追加しました。
 モスクワについては、毎夏恒例のイベント<Summer Ballet Festival>(於:サッツ記念音楽劇場)、<SUMMER BALLET SEASONS>(於:国立青年劇場)を取り上げています。立地条件から言うと、クレムリンの近くである後者の方が行きやすいのかな、と思います。モスクワ・シティ・バレエの他、アンナ・アレクシーぜ・バレエが交替で公演を行うそうです。一方前者は、ウニヴェルシチェート駅の近くということで市街中心部からはやや遠いものの、カンパニーの水準はそこそこ一定しているかなと思います。
 サンクト・ペテルブルクについては、定番のエルミタージュ劇場とアレクサンドリンスキー劇場です。どちらも劇場の内装の美しさは折り紙つきで、カンパニーの水準も許容範囲ではないかと思います(アレクサンドリンスキー劇場では、世界的なカンパニー、エイフマン・バレエも公演を行いますが、モダンなのでご注意ください)。
by jicperformingarts | 2009-07-04 22:28 | HP更新記録 | Comments(0)


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パンフィーロフ・バレエ

■コンサート
モスクワ音楽堂
チャイコフスキー記念モスクワ・コンセルヴァトーリア
チャイコフスキー記念コンサート・ホール(*Moscow Philharmonic Society)
ボリショイ・ザール(*マールイ・ザールと共通)

■その他(編集中)
サンクト・ペテルブルク国立児童音楽劇場
アレクサンドリンスキー劇場
マールイ・ドラマ劇場
ヴォルコフ・ドラマ劇場(ヤロスラヴリ)

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