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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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猫のサーカス: 2019~2020年末年始の公演予定

 猫好きにはたまらないモスクワのククラチョフ猫劇場(通称:猫のサーカス)では、年末年始は「クリスマス・ストーリー」というプログラムを上演します。
仲良くなれる人間が家に住んでくれたらいいなと夢見る、猫に愛されるドモヴォイ(家や家族を守る精霊)のようです。プログラムのお写真はこちら

 古いですが、2008年にこのサーカスに行った時の感想はこちら です。珍しく1月1日から公演があるようですし、また、アクロバットは観てて怖いわ~という方にもお勧めです。公演日程は以下の通りです。


12月24日(火)12:00〜/15:00〜
12月25日(水)12:00〜/15:00〜
12月26日(木)12:00〜/15:00〜
12月27日(金)12:00〜/15:00〜
12月28日(土)12:00〜/15:00〜/18:00〜
12月29日(日)12:00〜/15:00〜18:00〜
12月30日(月)12:00〜/15:00〜18:00〜
12月31日(火)12:00〜/15:00〜

1月1日(水)15:00〜/18:00〜
1月2日(木)12:00〜/15:00〜/18:00〜
1月3日(金)12:00〜/15:00〜/18:00〜
1月4日(土)12:00〜/15:00〜/18:00〜
1月5日(日)12:00〜/15:00〜/18:00〜
1月6日(月)12:00〜/15:00〜/18:00〜
1月7日(火)12:00〜/15:00〜/18:00〜
1月8日(水)12:00〜/15:00〜/18:00〜
1月9日(木)18:00〜
1月10日(金)18:00〜
1月12日(日)12:00〜/15:00〜
1月14日(火)18:00〜



# by jicperformingarts | 2019-12-10 08:08 | 猫のサーカス公演情報 | Comments(0)

HP更新記録(2019.12.7):モスクワ・ペテルブルク1月公演予定

1月モスクワの公演予定を作成しました。
1月サンクト・ペテルブルクの公演予定を作成しました。

 1月の公演予定を更新しました。ロシアのクリスマスは1月7日なので、年明けしばらくは休暇シーズンで街中も祭り気分となり、劇場の公演数も非常に多くなります。年末年始にロシアへの渡航を検討されている方は、是非劇場詣ではいかがでしょうか。



# by jicperformingarts | 2019-12-07 23:34 | HP更新記録 | Comments(0)

HP更新記録(2019.11.19):モスクワ・ペテルブルク12月公演予定

12月モスクワの公演予定を作成しました。

 12月の公演予定を更新しました。今年もモスクワ・ペテルブルクは『くるみ割り人形』祭りです。こんなに沢山公演があるんだし…と油断していると、チケットは結構早いうちに売り切れるので、要注意です。
 
 各劇場の『くるみ割り人形』比較ですが、まずモスクワのボリショイ劇場はグリゴローヴィッチ版で、もちろん古典演出ですが、主役二人の超絶技巧と、第2幕の各国の踊りが男女1名ずつのデュオで踊られるのが特徴です。モスクワ音楽劇場のワイノーネン版は、王道演出ですが、衣装は割とシンプルです。
 そしてペテルブルクのマリインスキー劇場では、12月頭上演予定の、キテレツな(しかし気合いの入った)衣装・装置がウリの現代演出のシェミャーキン版と、12月9日以降に上演されるワイノーネン版と二通りあります。後者は、彩り豊かな衣装・装置や、子役の充実ぶりなど、この4劇場の中では、広く一般の方がイメージする『くるみ割り人形』に一番近いと思います。ミハイロフスキー劇場が持っているのは、高名な現代振付家ナチョ・ドゥアト版です。現代演出といっても、ムーヴメントの美しさ・洗練は古典演出になんら劣るところはありませんが、夢のような華やかさという点では、多少好みが分かれるかもしれません。



# by jicperformingarts | 2019-11-20 00:06 | HP更新記録 | Comments(0)

HP更新記録(2019.10.28):モスクワ・ペテルブルク11月公演予定

11月モスクワの公演予定を作成しました。
11月サンクト・ペテルブルクの公演予定を作成しました。

 11月の公演予定を更新しました。11月中旬は、マリインスキー・バレエで見応えのある公演が集中しており、久々にサンクト・ペテルブルクに行きたくなりました。もちろん他劇場でも様々な公演が予定されており、充実した月になっています。



# by jicperformingarts | 2019-10-28 00:43 | HP更新記録 | Comments(0)

HP更新記録(2019.9.29):モスクワ・ペテルブルク10月公演予定

10月モスクワの公演予定を作成しました。
10月サンクト・ペテルブルクの公演予定を作成しました。

 10月の公演予定を更新しました。クラシック・バレエよりも、コンテンポラリー・ダンスの方が充実した月と言えましょうか。また、マリインスキー劇場では怒濤のようにオペラ公演があります。
 ハイライトとしては、モスクワでは、コンテンポラリー・ダンスの毎年のフェスティバル「ダンス・インバージョン」があり、NDT、アクラム・カーン・カンパニー、ノルウェー国立バレエなどがモスクワ公演を行います。
 また、サンクト・ペテルブルクのミハイロフスキー劇場では、10月上旬に、芸術監督ナチョ・ドゥアトによる「バヤデルカ」の新制作があるのが注目です。おそらく古典を尊重した現代演出になると思われます。とはいえ、今まで上演されていた純古典のボヤルチコフ版もファンが多い演出だったので、新たに制作する以上は、ドゥアト版も佳作になることを祈ります。




# by jicperformingarts | 2019-09-29 23:31 | HP更新記録 | Comments(1)

HP更新記録(2019.8.25):モスクワ・ペテルブルク9月公演予定

9月モスクワの公演予定を作成しました。
9月サンクト・ペテルブルクの公演予定を作成しました。

 9月の公演予定を更新しました。9月前半はまだシーズン開幕前の劇場が多いですが、シルバー・ウィークあたりから公演数が増えてきます。
 個人的に気になるのは、9月14、15日にマリインスキー新館で予定されている、『眠れる美女の夢』でしょうか(リンク先でトレイラーが観られます)。『眠れる森の美女』をモチーフにしたエドワード・クルッグ振付の現代作品ですが、ディアナ・ヴィシニョーワとマライン・ラドメーカー出演とのこと、普段現代作品観ない方にも面白いレベルの公演に仕上げてくれるのではないかと期待です。



# by jicperformingarts | 2019-08-25 18:48 | HP更新記録 | Comments(0)

HP更新記録(2019.6.23):モスクワ・ペテルブルク7月公演予定

7月モスクワの公演予定を作成しました。
7月サンクト・ペテルブルクの公演予定を作成しました。

 7月の公演予定を更新しました。7月は、ぼちぼち付属のオペラ団・バレエ団が夏休みに入るため、貸館公演が増えています。モスクワのボリショイ劇場では、ロストフ国立音楽劇場やノヴォシビルスク国立バレエ団など、ロシア国内の有力なカンパニーの公演も行われますが、英国のイングリッシュ・ナショナル・バレエ団も招聘され、アクラム・カーン版「ジゼル」を上演予定です。
 この作品は日本でも上映されたので、ご覧になったダンス・ファンも多いと思いますが、完全に古典演出とは異なり、徹頭徹尾重苦しい作品です(評価自体は高いですが…。)。旅の思い出にロシアできれいなクラシック・バレエを…と思っている方には、同日に上演予定の中世の騎士物語バレエ「ライモンダ」の方を強くオススメします(笑)

 

# by jicperformingarts | 2019-06-24 08:54 | HP更新記録 | Comments(0)

2019.6.1ブリヤート国立バレエ『青い鳥を探して』(於:マリインスキー沿海州劇場)

メグミ・サカノ 
エケル・フナカア
ハルカ・ウエムラ

 60分の一幕バレエです。チルチルとミチルとその仲間達の登場から、冒険中に出会う方々とのエピソードまで、ひたすら踊りで語られます。子供向けバレエでは登場人物に動物が多くなる傾向があるのですが、やはり着ぐるみは…うーん正直厳しい…、という部分あり、あと衣装もところどころ原色が強すぎて、好みではないところもありましたが、装置は全体にシックで、プロジェクション・マッピングもちゃちくなく取り入れており、青い鳥のチュチュも繊細で、演出全体でみて子供だましな印象はありませんでした。
 「母の愛の妖精」が出てくるところはこのバレエ独特な点かもしれませんが、基本的にメーテルリンクの小説に忠実な演出です。チルチル(エケル・フナカア)とミチル(メグミ・サカノさん)は、犬のチロや、砂糖、パン、ミルク、火、光の精と青い鳥を探す旅に出て、思い出の国や、夜の宮殿や光の部屋、森、庭園を旅し、家に帰ってくると、クリスマスのプレゼントに青い鳥の入った鳥かごが母親から贈られる、というものです。

 ミチルと青い鳥(ハルカ・ウエムラさん)と、日本人女性がお二人活躍していました。童話の青い鳥、という役どころなら、『眠りの森の美女』のカナリヤを青くしてもいいのかもしれませんが、この演出では意外なほど謎めいた存在に描かれています。どちらかというと、『火の鳥』から獰猛さを抜いたような感じです。また、小鳥という点では『シュラレー』のシュユンビケとも比較したくなりますが、シュユンビケの快活さともまた違います。原作の粗筋を改めて調べてみると、捕まえようと思っても捕まえられない、捕まえようとすれば苦難が伴う、捕まえたと思ったら死んでしまう、そしてまたどこからか姿を現す、という非現実の象徴ともいえる存在とのこと、ファム=ファタール性もあるのかもしれません。

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Photo:JIC旅行センター
マリインスキー沿海州劇場はとても近代的で美しい建築でした。


# by jicperformingarts | 2019-06-04 08:28 | 公演の感想(バレエ) | Comments(1)

2019.5.31 ブリヤート国立バレエ『タリスマン』(於:マリインスキー沿海州劇場)

アンナ・ペトゥシノワ
バイール・ジャンバロフ
ミハイル・オフチャロフ

 ロシアは連邦制国家なので、ロシア国内にいくつか共和国がありますが、その一つ、バイカル湖沿いのブリヤート共和国にあるブリヤート国立バレエ団が、ウラジオストクのマリインスキー沿海州劇場で遠征公演を行いました。鉄道網があるので、モスクワ・ペテルブルク等のバレエ団の日本公演とは単純な比較はできませんが、『白鳥の湖』『くるみ割り人形』の定番演目から、『麗しのアンガラ』『タリスマン』『青い鳥を探して』等珍しい演目まで、全幕5演目の装置・衣装を持ってくるのは単純にすごいです。
 なお、背景として、ロシア連邦政府の施策として2019年はロシア劇場年となっており、各種イベントに加えて、ロシアの主要な劇場のロシア国内のツアーも集中的に支援されており、その一環として、ブリヤート国立バレエ団が極東ツアーを行ったものです。逆に、マリインスキー沿海州劇場というハコ(ハード)の側から見ると、ブリヤート国立バレエ団の他にも各種カンパニーが公演を行います。ロシア語版しかありませんが、劇場年のHPはこちらです。やるとなったらやはりロシアはスケールが大きいです。
 
 今回観た『タリスマン』は、ガラ・コンサートやコンクールではそれなりに上演頻度が高い作品ですが、全幕では上演されなくなって久しく、ブリヤート国立バレエ団の芸術監督の岩田守弘さんのブログによれば、今年4月に同バレエ団で新制作され、おそらく世界でこのバレエ団だけが上演している、とのことです。コンサート・ピースとしての『タリスマン』のアダージョ(アントレや男性ソリスト登場の部分等)などで一部同じ音楽が使われていますが、基本的にコンサート・ピースと全幕では別作品と思って良さそうです。

 粗筋をざっくり御紹介します。 
<プロローグ>天霊の女王アムラヴァティは、風の神ヴァイユを護衛に付け、お守り(タリスマン。これがあればいつでも天空に帰れる)の星を与えて、娘ニリチを下界に修行にやる。その際アムラヴァティはニリチに、決して人間に恋をしないよう言いつける。

<第一幕>ニリチとヴァイユが降り立ったのはインドで、若き藩主ヌレディンは、ニリチに一目惚れする。ニリチは、ヌレディンから逃げる際、タリスマンを落として行ってしまい、ヌレディンがそれを拾う。

<第二幕>ヌレディンは王の娘ダマヤンティと婚約していたが、ニリチが忘れられない。結婚式の前に、一人になったヌレディンの元にニリチが現れ、タリスマンを返して欲しいと懇願する。益々彼女の虜になったヌレディンは、結婚式の場で、ダマヤンティに婚約破棄を言い渡し、激高した王の戦士との闘いになるが、ここでヌレディンに死なれてはタリスマンを回収できない、と考えたヴァイユが魔力でヌレディンを助ける。

<第三幕>今度は、ヴァイユが僧正、ニリチが奴隷娘に扮して、ヌレディンの前に現れる。ニリチの踊りに魅了されたヌレディンが彼女を買受けようとすると、僧正は代金としてタリスマンを求める。タリスマンを手放したくないヌレディンは、僧正をへべれけにさせ、その隙にニリチを攫う(※公演会場で購入したリーフレットの粗筋には書いていませんが、ヌレディンは、僧正と奴隷娘がヴァイユとヌレディンであると看破してます)。ニリチを自分の邸宅に連れてきたヌレディンは、彼女に愛を伝え、自分の元に留まって欲しいと懇願するが、ニリチは母親との約束を破ることはできない、タリスマンを返してもらえないなら死ぬしかないと言う。苦悩の末に、ヌレディンがニリチにタリスマンを返す。彼女は天空に帰ろうとしたものの、ヌレディンの想いに心動かされ、ヌレディンの元に留まることを選ぶ。

 今回上演されたアレクサンドル・ミシューチン版は、原典版に忠実ではあるようですが、復元バレエというほど厳格ではなさそうです。例えば、原典版では、第三幕、ニリチがヌレディン袖にした後、自分が振られたことに逆上してタリスマンを彼女に投げつけるのですが、この演出では、ニリチの拒絶に傷つきつつも、葛藤の後、彼女にタリスマンを差し出します。また、上記粗筋ではさらっと書きましたが、かなりヌレディンの愛情表現は熱烈である一方、ニリチが手で制止したら大人しく距離は保つ等、だいぶ紳士的です。
 という感じで、おそらく現代人の感性に合うように、多少アレンジされていますが、全体として、衣装・装置含め、帝政時代のロシア・バレエの品格はかくありき、と思わせる王道の演出です。第二幕で結婚式を前にしたヌレディンの前にニリチが現れるところは『眠れる森の美女』の幻影の場を彷彿とさせますし、『ジゼル』のペザント・パ・ド・ドゥのような織物職人とその恋人の踊りあり、キャラクター色の強いバザールの場面ありと、プティパらしい様式がはっきり見える作品です(悪く言えば、どの場面もどこかで見た感が…)。また、四大元素として、地・水・風・火の4人の女性ソリストも出てくるあたり、プティパ以前からの帝政バレエの風情も漂いますが、どうせなら、この4人にもソロ・パートが欲しかったです。
 
 バレエ団については、身体能力がずば抜けた人がいるかといえばそうではなく、皆さん普通にミスはするのですが、上体と脚のコーディネーションに優れた人が多い印象です。そして、群舞でも6人の踊りでも、基本的な音の取り方なり腕の角度に統一感があり、まとまりの良いバレエ団に思いました。

 ニリチ役のアンナ・ペトゥシノワは、高速フェッテは美しくなかったですが(というかあのスピードで綺麗に回れる人は果たして世界中で何人存在するのか…)、腕の使い方がなめらかで、何気ない後ろタンジュなど、ポーズの一つ一つも洗練されています。自然な笑顔も魅力的です。
 
 ヴァイユ役のバイール・ジャンバロフは、第三幕の千鳥足など、見せ場が多いです。粗筋上はヌレディンの方が主役なのですが、舞踊上は同じ位の存在感です。おそらく、コンサート・ピースとしての『タリスマン』の男性ソリストもヴァイユをイメージしてる気がするので、ガラ・コンサートやコンクールでの男性の神々しい大技の数々を引きずると(同じソロを踊るわけではないのですが)、物足りない気がしますが、しかしこの役、全幕では、守護神なのに下界に降り立ったニリチを民家に放置してどこかに行っちゃうし(その隙にヌレディンがニリチを見つけます)、第三幕では泥酔してニリチを攫われるなど、失態も多いので、全幕のヴァイユはこれでよいのかもしれません。 

 ヌレディン役は、ミハイル・オフチャロフ。サポートが上手で、リフトも変なもたつきがなく、すぱっと女性が綺麗に見えるところで決まります。跳躍が特に高いわけでもなく、柔軟性やバネ含む身体的な条件はさほど良くないかもしれませんが、上体と脚のコーディネーションが上手く、大変失礼な言い方になりますが、バレエの力学を味方に付ければ、この条件でもここまでの踊りができるのか、と思いました。



# by jicperformingarts | 2019-06-02 21:09 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2019.5.4(昼) ボリショイ・バレエ「眠れる森の美女」(ジガンシナ&スクヴォルツォフ)

クセニヤ・ジガンシナ
ルスラン・スクヴォルツォフ

 キャスト変更の嵐でした。当日のキャスト表は、オーロラ姫役はニーナ・カプツォーワで印刷されていたものの、エラータ(訂正表)が差し込まれており、ジガンシナが代役、とのことでした。
 カプツォーワ目当てだったので、プロローグはあまり盛り上がらない気持ちで観ていたのですが、観終わってみれば満足でした。ジガンシナは、昔ゆかしいソ連時代風の風貌ですが、表情がとてもナチュラルで、温かみのあるオーロラ姫でした。怪我明け、しかも直前のキャスト変更だったことも影響したのか、ローズ・アダージョの終盤では、笑顔は完全に消え、バランスに集中!の感はありましたが、基本的に指先まで美しく、非常に丁寧に踊っていました。小さめの跳躍であれば、足音はほとんどしませんでした。
 また、第一幕の初々しさから、第三幕の結婚式での大人っぽさと、オーロラ姫の変化がちゃんと見て取れました。

 逆にスクヴォルツォフはもっと表情作ってほしい、というか、なんだか憂える表情で、結婚式でも明るさが今ひとつでした。とはいえ、ザンレールの軸はまっすぐ垂直で、全般に技術は端正でしたし、第3幕のソロでは、マネージュの前で、音楽に急かされない落ち着きぶりで、ベテランにふさわしいといえましょうか。

 リラの精のアナスタシア・チャプキナは、悪くはないのでしょうが、ボリショイ・バレエのリラの精としては今ひとつだった気がします。
 そのほかの妖精さん達ですが、鷹揚の精(ぱんくずの精)のダリヤ・ボチコワは、パ・ドゥ・パピヨンがふわりと綺麗です。カナリヤのダリア・ホフロワは、ジャンプはすごいのですがこのソロで大きな跳躍(しかも複数回)入れてくる人初めてみました(笑) 勇敢の精は、エレオノーラ・セヴェナルド。今回の『眠れる森の美女』連続鑑賞で、彼女のダイヤモンドや金の精、鷹揚の精など、色々な役を観ましたが、体型ではなく踊りにどっしり感があるので、この役が一番良かった気がします。

 青い鳥のパ・ド・ドゥは、アレクサンドラ・トリコーズとクリム・エフィーモフ。トリコーズは5月2日(昼)にリラの精で観たときより緊張してるように見えましたが、おとぎ話のお花のお姫様にふさわしいおおらかさと可憐さがあり、とても良かったです。エフィーモフは、基礎に忠実でバットゥリーも鮮やかですし、空中での姿勢も美しいです。ピルエットの回転数こそ抑えめですが、これというミスもなく、実際客席からも大きな喝采を浴びていたのですが、なぜかほっとしたような表情でした。何か不安材料があったとしても、もっとどや顔していい出来だったと思うのですが。




# by jicperformingarts | 2019-05-21 07:36 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

HP更新記録(2019.5.19):モスクワ・ペテルブルク6月公演予定

6月モスクワの公演予定を作成しました。
6月サンクト・ペテルブルクの公演予定を作成しました。

 6月の公演予定を更新しました。サンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場では5月22日~7月21日まで毎年恒例の白夜祭のため、公演予定が非常に盛りだくさんです。観光客も増えてくる季節なので、ミハイロフスキー劇場は定番のバレエ演目が手厚くなってきた気がしますが、一方モスクワは現代作品も多く上演されます。
 特に、モスクワ音楽劇場は、ゲッケ、ナハリン(『マイナス16』≒『デカダンス』です)、インガー、プレルジョカージョ作品など、かなり本格的なコンテンポラリー・ダンスも上演されます。「きれいなロシア・バレエ」を観たい方にはオススメするのをためらいますが(笑)、元々コンテンポラリー・ダンスが好きな方であれば、ロシア人ダンサーの身体能力でこれらの作品を見ると、新鮮な感動を覚えると思います。



# by jicperformingarts | 2019-05-19 22:58 | HP更新記録 | Comments(2)

2019.5.2(夜) ボリショイ・バレエ「眠れる森の美女」(オブラスツォーワ&ベリャコフ)

エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
アルチョーミィ・ベリャコフ

 オブラスツォーワは、ボリショイ・バレエにあっては決して体格に恵まれた方ではありませんが、腕・トルソー・脚と、身体全体でどういうラインを作れば一番美しく見えるか、という研鑽の放つ輝きがありました。クラシックとしての自然な演技力もあり、目覚めの場面など、オペラグラスで表情を追いたくなりました。

 ベリャコフは本日デジーレデビューでしたが、だいぶたくましくなっていて嬉しい驚きでした。跳躍やアラベスクなどのポーズの美しさは言うに及ばず、何気ない所作や、細かいつなぎにも神経が行き届いていました。第3幕のソロは、もう少し勢いというか、音楽に負けない筋が通ったパワーが欲しいですが、それもこれから充分期待が持てそうです。

 リラの精はマリア・ヴィノグラードワ。技術的には、もしかしたら昼公演のトリコースの方がよかったかもしれませんが、デジーレを森へ導く場面やアポテオーズで見せる貫禄は、狂言回し役にふさわしい存在感でした。主要ダンサーのバランスは、この回が一番調和取れていたかもしれません。
 青い鳥は、エリザベータ・クルテリョーワとイーゴリ・ツヴィルコ。クルテリョーワは脚はスパスパ爽快に上がり、達者ではありますが体操っぽく、おとぎ話らしさは今ひとつでしょうか。ツヴィルコは、アントルッシャは腰がブレていましたが、ブリゼはきれいでした。何よりいきいきした跳躍をジャンプを観て、もうこれでいいやーという気になりました。
 そのほか、シンデレラのクリム・エフィーモフの、後ろに伸ばした脚がふわーっときれいな跳躍が眼福でした。教師のヴェトロフの指導の賜物でしょうか。
 また、ダイヤモンドのダリヤ・ボチコワが軽やかなシソンヌでよかったです。あとは、サファイヤ役のヤニーナ・パリエンコ、白猫役のユリヤ・スクワルツォフのアームス(腕)が美しく、うっとりです。



# by jicperformingarts | 2019-05-16 19:57 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2019.5.2(昼) ボリショイ・バレエ「眠れる森の美女」(ニクーリナ&ティッシ)

アンナ・ニクーリナ
ヤコポ・ティッシ


 エツィオ・フリジェリオのなんともまばゆい衣装と装置でした。演出はグリゴロヴィッチ版のままで、王道のクラシックの演出ではありますが、第2幕の王子登場後など若干冗長ともいえる部分は省略し、2幕構成にまとめています。一方で、第3幕のキャラクター・ダンスは、定番の、白猫と長靴をはいた猫、赤ずきんちゃんに加えて、シンデレラも登場し、クラシック・バレエとしては、やはり定番の宝石の精と青い鳥のパ・ド・ドゥもあり、見所が多い演出です。
 
 ニクーリナは、可憐さはそのままに、脚もかなり強くなり、ローズアダージョでは、プロムナード4周の後に、数秒自立する余裕もありました。安定したテクニックから生まれる品格や華もありましたが(ただ脚の上げ方はもうちょっと美しくなるような…)、ただ、今回「眠れる森の美女」は3回観ましたが、観終わって振り返ってみると、持ち前の可憐さ以上の、練り上げた演技があるかというと若干疑問符です。

 ティッシは、ジャンプ力もありますし、所作の端々に隙はありますが、真面目そうで好感が持てる踊りです。サポートも丁寧で、第3幕のグラン・パ・ド・ドゥのアダージョ中盤の、ピルエットからそのままフィッシュダイブ、の連続に挑戦したのはこのペアだけでした。
 
 リラの精のアレクサンドラ・トリコーズは、この日デビューでしたが、技術的にはほとんど減点要素はありませんでした。長身ですがティンカーベル風というか、可愛すぎて、善の妖精の親玉感は今一つだったのですが、まだ入団一年目の新人なので今後に期待です。
 
 青い鳥は、ダリア・ホフロワとヴャチェスラフ・ロパーチン。ホフロワは、技術は確かですが、やや体育会系な印象。ロパーチンは結構な年齢のはずですが、品良くまとめてきました。
 しかしこの作品は本当にソリストが多いです。書ききれないので、印象に残った踊りを挙げていくと、白猫と長靴をはいた猫が、笑い要素はあまりなく、エレガントな白猫に言い寄るが逃げられる長靴をはいた猫、で、普通に美しかったです。白猫のタマラ・ミロノワのジャンプが鮮やかでした。


# by jicperformingarts | 2019-05-14 19:20 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2019.5.1 マリインスキー・バレエ『ドン・キホーテ』(ノヴィコワ&エルマコフ)

オレーシア・ノヴィコワ
アンドレイ・エルマコフ

 ノヴィコワのキトリは、第一幕のメヌエット(キトリ-ドン・キホーテ、バジル-花売り娘1、ガマーシュ-花売り娘2、の6人の宮廷風のダンス)も、花売り娘に言い寄り始めたバジルの肩をトントン扇子で叩くも気づかれず、ドン・キホーテにまた手を引かれて踊りに戻る等々、おとなしめのキトリではありました。しかし、狂言自殺の場面では、バジルのカミソリを、脚でバジルの胴を踏みつけ固定してまで引っこ抜こうとするなど、ところどころウケを狙ってきます。
 踊りには爆発力はありませんが、職人的で好きなダンサーです。細かいポワントワークがあるので、足先に思わず見入ってしまいます。第3幕のソロでも、スパスパとパッセをこなしていくところは、自然と拍手が起きますし、フェッテも、危なげなく後半までダブルを入れてきます。バランスにも優れているので(あまりに力みなく立つので、逆に派手さに欠けるのですが)、ドゥルシネアのソロでは、前アティチュードからアラセゴン(横)をしっかり通ってアラベスクに至る軌跡がしっかり見えて美しいです。そういえば、去年12月のマリインスキー来日公演での『ドン・キホーテ』で、レナータ・シャキーロワがここで別の振付を踊っていた記憶があるのですが、こちらは定番のソロでした。

 エルマコフは、つい最近プリンシパルに昇進し、脂ののった時期と言えましょうか。しかし、大きくふんわりした跳躍はいいのですが、いまいちビシっと決まりません。そして、リフト時のノヴィコワのポーズが美しくなかったり、リフト前にもたつきがあったり、フィニッシュが音通り決まらなかったりして、パートナリングはあまりいいとは言えませんが、美より安全を取るタイプだという安心感がありました。演技も踊りも素朴で、スペインの伊達男というよりロシア人そのまんまです。
 なお、狂言自殺の場面で生き返るところは、立ち上がらず、膝立ちでコンパクトにジャンっと決めてくれたのはよかったです。

 ドゥリアードの女王はエカテリーナ・オスモルキナ。冒頭のデヴェロッペの連続では、実際には特にぐらつきもないのですが、なぜかはらはらしてしまったり、左右非対称だったりで脚が弱くなっちゃったなあ…と思いましたが、この方の浮世離れした雰囲気はドゥリアードの女王にぴったりです。
 アムールは、ヴァレリア・マルティニュック。こなれていて盤石でしたが、もうちょっと軽やかさがほしいです。

 エスパーダはアレクサンドル・ロマンチコフ。かなり上背もあり、見栄えがします。マリインスキー比でも長い長い手脚をコントロールしきる筋力があるかというと微妙ですが、そこは俺イケメン的自信あふれる演技でカバーでしょうか。跳躍の多い酒場のソロの方が見ごたえありました。
 街の踊り子は、マリア・ブラノワ。ベビーフェイスとパワフルな跳躍のギャップが新鮮です。
 メルセデスはタチヤナ・トカチェンコ。実はあまり好きなダンサーではありませんが、この役は似合っているなあと思いました。
 
 第3幕のヴァリエーションは、アナスタシア・ルーキナは、アラベスク等のポーズはぱっと華やかに決まるのですが、全体にちょっと重たそうで、回転技の連続でも、あまりスピード感がありませんでした。



# by jicperformingarts | 2019-05-13 08:32 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

2019.4.30 マリインスキー・バレエ「結婚/プルチネッラ/カード遊び」

 ストラヴィンスキーの音楽をバレエで堪能する夕べという感じでしょうか。しかし、ダンスとしては若干物足りない演目が多く、一演目だけならいいのですが、3演目続くと、バレエファンとしてはちょっと物足りない公演でした。

『結婚』
アレクサンドラ・イオシフィディ
ワジム・ベリャエフ
アンナ・スミルノワ
マクシム・イズメスチエフ
 細かい脚本のようなものはなく、ロシアの伝統的な婚礼の準備と宴を描いた2部4場構成のバレエです。分類としては、舞踏カンタータというそうですが、音楽の造りがともかく複雑で、声楽の他にピアノ4台と打楽器群という、見慣れないオーケストラピットの配置です。歌手も、オクサーナ・シロワ、ナジェジダ・セルジュク、エフゲニー・アフメドフなど主役級が出演しました。
 振付はニジンスカ版ほぼそのままだと思いますが、男性ソリストには、ザンレール連続もあり、一部難易度上げているようです。第3~4場は、男女18人ずつ36名の群舞が、原始的ともいえるフォーメーションで、単調ながらもハードなステップを一斉に刻んでいき、このあたりは、「春の祭典」を彷彿とさせます。この作品は、上演機会があまりなく、かつ最近の過密な公演日程ではリハーサル時間も満足に確保できないのか、あまり群舞が揃っておらず、迫力が削がれてしまったのが残念です。
 花嫁役のアレクサンドラ・イオシフィディは、殆ど踊りはありませんが、立ってるだけで存在感があります。また、女性ソリストのアンナ・スミルノワの、空中でぐいぐい伸びる跳躍は見事でした。

『プルチネッラ』
フィリップ・スチョーピン
ヴィクトリア・テリョーシキナ
コンスタンチン・スヴェーレフ
 語彙はほぼクラシック・バレエの、イリヤ・ジヴォイ振付のコンテンポラリーです。「プルチネッラとピンピネッラは恋人同士だが、プルチネッラが町娘たちにモテモテすぎて喧嘩になり、その後、プルチネッラは彼に嫉妬した町の若い男たちに撲殺されるが、実際には死んでおらず、友人フルボに自分の扮装をさせて死んだふりをさせ、魔術師に化けたプルチネルラは、プルチネルラ(実際はフルボ)を生き返らせる。プルチネルラが死んだと思った街の男達は、プルチネルラに変装して街娘を口説いていたため、町中プルチネルラだらけで混乱するが、結局男たちは娘たちと結婚、プルチネルラもピンピネルラと結婚する」というコメディア・デラルテ(中世イタリアの喜劇)風のお話を、洗練された衣装・装置でお洒落に見せました、という作品です。
 作品全体は薄口ですが、聡明そうなテリョーシキナ演じるピンピネッラが、プルチネッラと信じて疑わず幸せそうに踊っていた相手は、実はプルチネッラの変装をしたフルボだった、というほろ苦さも用意されています。テリョーシキナも、町娘役のアナスタシア・ルーキナもマリア・ブラノワも、皆さんとっても愛らしい衣装であり仕草なのですが、踊りの部分が少ないです。フィナーレ部分は踊りの洪水にはなるのですが、男性陣は男性陣で、みんなプルチネッラの変装をして、ゆるゆるの白い衣装に仮面をつけているので、踊りを堪能するには、微妙に不完全燃焼です。上半身裸のズヴェーレフが張り切ってたソロ以外は、実はタイトルロールを踊ったスチョーピンでさえ印象薄です。

『カード遊び』
エカテリーナ・コンダウーロワ
ロマン・ベリャコフ
ウラジーミル・シクリャロフ
 こちらもイリヤ・ジヴォイの新作です。カードゲームをストラヴィンスキーが音楽化した作品で、キング(ベリャコフ)とクイーン(コンダウーロワ)と、そのほかトランプを模したダンサー達が踊る間をウロチョロするジョーカー(シクリャロフ)が、クイーンにちょっかいを出し、悪い気はしないクイーンが、キングとジョーカーでジャンプ合戦をさせて、クイーンはジョーカーを選び、キングはほかのトランプ達に埋もれていく、というオチでした。これも、コンダウーロワの衣装がゴージャスで素敵でしたが、これというソロ・パートはなく、基本美しくサポートされているだけです。それだけでも眼福といえば眼福ではあるのですが。シクリャロフは、クラシックほど厳格ではないジャンプで奔放に舞台を駆け巡って楽しそうでした。



# by jicperformingarts | 2019-05-12 21:30 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)


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