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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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2019.4.30 マリインスキー・バレエ「結婚/プルチネッラ/カード遊び」

 ストラヴィンスキーの音楽をバレエで堪能する夕べという感じでしょうか。しかし、ダンスとしては若干物足りない演目が多く、一演目だけならいいのですが、3演目続くと、バレエファンとしてはちょっと物足りない公演でした。

『結婚』
アレクサンドラ・イオシフィディ
ワジム・ベリャエフ
アンナ・スミルノワ
マクシム・イズメスチエフ
 細かい脚本のようなものはなく、ロシアの伝統的な婚礼の準備と宴を描いた2部4場構成のバレエです。分類としては、舞踏カンタータというそうですが、音楽の造りがともかく複雑で、声楽の他にピアノ4台と打楽器群という、見慣れないオーケストラピットの配置です。歌手も、オクサーナ・シロワ、ナジェジダ・セルジュク、エフゲニー・アフメドフなど主役級が出演しました。
 振付はニジンスカ版ほぼそのままだと思いますが、男性ソリストには、ザンレール連続もあり、一部難易度上げているようです。第3~4場は、男女18人ずつ36名の群舞が、原始的ともいえるフォーメーションで、単調ながらもハードなステップを一斉に刻んでいき、このあたりは、「春の祭典」を彷彿とさせます。この作品は、上演機会があまりなく、かつ最近の過密な公演日程ではリハーサル時間も満足に確保できないのか、あまり群舞が揃っておらず、迫力が削がれてしまったのが残念です。
 花嫁役のアレクサンドラ・イオシフィディは、殆ど踊りはありませんが、立ってるだけで存在感があります。また、女性ソリストのアンナ・スミルノワの、空中でぐいぐい伸びる跳躍は見事でした。

『プルチネッラ』
フィリップ・スチョーピン
ヴィクトリア・テリョーシキナ
コンスタンチン・スヴェーレフ
 語彙はほぼクラシック・バレエの、イリヤ・ジヴォイ振付のコンテンポラリーです。「プルチネッラとピンピネッラは恋人同士だが、プルチネッラが町娘たちにモテモテすぎて喧嘩になり、その後、プルチネッラは彼に嫉妬した町の若い男たちに撲殺されるが、実際には死んでおらず、友人フルボに自分の扮装をさせて死んだふりをさせ、魔術師に化けたプルチネルラは、プルチネルラ(実際はフルボ)を生き返らせる。プルチネルラが死んだと思った街の男達は、プルチネルラに変装して街娘を口説いていたため、町中プルチネルラだらけで混乱するが、結局男たちは娘たちと結婚、プルチネルラもピンピネルラと結婚する」というコメディア・デラルテ(中世イタリアの喜劇)風のお話を、洗練された衣装・装置でお洒落に見せました、という作品です。
 作品全体は薄口ですが、聡明そうなテリョーシキナ演じるピンピネッラが、プルチネッラと信じて疑わず幸せそうに踊っていた相手は、実はプルチネッラの変装をしたフルボだった、というほろ苦さも用意されています。テリョーシキナも、町娘役のアナスタシア・ルーキナもマリア・ブラノワも、皆さんとっても愛らしい衣装であり仕草なのですが、踊りの部分が少ないです。フィナーレ部分は踊りの洪水にはなるのですが、男性陣は男性陣で、みんなプルチネッラの変装をして、ゆるゆるの白い衣装に仮面をつけているので、踊りを堪能するには、微妙に不完全燃焼です。上半身裸のズヴェーレフが張り切ってたソロ以外は、実はタイトルロールを踊ったスチョーピンでさえ印象薄です。

『カード遊び』
エカテリーナ・コンダウーロワ
ロマン・ベリャコフ
ウラジーミル・シクリャロフ
 こちらもイリヤ・ジヴォイの新作です。カードゲームをストラヴィンスキーが音楽化した作品で、キング(ベリャコフ)とクイーン(コンダウーロワ)と、そのほかトランプを模したダンサー達が踊る間をウロチョロするジョーカー(シクリャロフ)が、クイーンにちょっかいを出し、悪い気はしないクイーンが、キングとジョーカーでジャンプ合戦をさせて、クイーンはジョーカーを選び、キングはほかのトランプ達に埋もれていく、というオチでした。これも、コンダウーロワの衣装がゴージャスで素敵でしたが、これというソロ・パートはなく、基本美しくサポートされているだけです。それだけでも眼福といえば眼福ではあるのですが。シクリャロフは、クラシックほど厳格ではないジャンプで奔放に舞台を駆け巡って楽しそうでした。



by jicperformingarts | 2019-05-12 21:30 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)
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