ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
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2018.04.01 バシキール国立バレエ『愛の伝説』

ソフィア・ガヴリュシキナ
リリヤ・ザイニガブディノワ
オレグ・シャイバコフ

ロシア連邦バシキール共和国の首都、ウファにある国立バレエ団の公演です。ウファはヌレエフが育ち、バレエ教育を受けた街ですが、メルクリエフ、ソログープ、昨年のモスクワ国際バレエコンクールで金賞だったデニス・ザハロフもウファのバレエ学校出身ですし(ザハロフはモスクワ舞踊アカデミーに転入)、いいバレエ学校と定評があります。
主にこのバレエ学校の卒業者で構成されるバレエ団も、メフメネ=バヌとシリンと異なる系統の役で双方いいソリストと、なかなかハイレベルな男性5人を道化役のために揃えられるあたり、地方劇場の中ではかなり層が厚い方です。お客さんは、サマーラの方が温かいような気もしましたが。

「愛の伝説」は、グリゴロ-ヴィチが振り付けたソ連バレエです。自分の美貌の引き替えに妹姫シリンの命を救った女王メフメネ=バヌが、宮廷画家のフェルハドに恋をするが、フェルハドが好きになったのはシリン、という三角関係のお話です。2015年にマリインスキー・バレエの日本公演でも上演されていますので、詳細な粗筋は、招聘元のページをご参照いただければと思います。ただ、ボリショイ版(おそらくウファもこちらの系統)の方が、メフメネ=バヌにやや好意的なので、マリインスキー版とは所々ニュアンスが違います。

シリン役のザイニガブディノワは、典型的なタタール美女で、最初は、振付のコケットリーに踊りが追いついていない気もしましたが、後半は熱演していました。第3幕の膝下を痙攣させるグランジュテの連続はお見事で、やっぱりロシア人(民族的にはタタールなのでしょうが)は飛んでナンボだな~と思いました。グリゴロヴィッチの振付けは単調という批判にはある程度同意しますが、大きな動きで大きな感情を表現することの舞台効果は確かなので、単調で何が悪いという気になります。笑

メフメネ=バネ役のガヴリュシキナは、強いというより憂える女王でしょうか。恋する二人がパドドゥを踊る→大体においてパドドゥがバレエ作品のハイライト、ということで、舞踊上はシリンの方がやや目立ちますが、粗筋的にはメフメネ=バヌ役の方が感情移入しやすいです。フェルハドと夢の中で踊るところも、生々しい情念を解放するというより、自分の心を慰めるための哀しい夢という趣きです。
さすがにボリショイのバレリーナほどの豪快さとカリスマ性を以てバンバン跳んだりはしませんが、女王であることは一目瞭然の存在感ですし、ポーズの一つを大事にしていて好感度は高いです。

シリンにせよメフメネ=バヌにせよ、フェルハドへの熱愛の表現はやや薄めな気がしましたが、フェルハド役のシャイバコフがあまりに大根だったからかもしれません。首は短いですが、手足は長くて身体能力も高く、ぽ~んと跳んで余裕を持って着地してくるのですが、このゆるゆる感が、フェルハドとしてはいかがなものかと。王子役ならいいと思うのですが。難易度の高いリフトも、安定感抜群でこなすのはさすがですが、リフトの前に「よし、リフトだ!」的な緊張が見えてしまうので、微笑ましいものの演技の流れは切れてしまいます。

逆に廷臣役のイリダール・マニャポフは、迫力満点で舞台上を引き締めてくれました。一歩一歩に力があります。バシキール人民芸術家のようです。




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by jicperformingarts | 2018-04-06 20:48 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)
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