ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
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2012.09.27 マリインスキー・コンサート・ホール 「トリプル・ビル」

マリインスキー・コンサート・ホールでのバレエ公演です。終演が23時近かったので、第二部の小品集までで帰る人も多かったのですが、第三部を観ずに帰ったのはもったいない!と帰ってしまった人に言いたい公演でした(笑)

第一部「カルメン組曲」
オクサーナ・スコーリク
チムール・アスケロフ

 コンサート・ホールで上演されることが多い演目で、今後鑑賞される方も少なくないと思われるので少し詳しく書きますが、結論から言うとサイドの席は購入しないことをおすすめします(笑)もっというと、バレエを観るならやはり劇場の方が適しています。私がいたのは下手側サイドの席なので、ダンサーが上手側に来てしまうと、基本的にダンサーのつむじを見つめているしかありません。本来の「カルメン組曲」のコロシアムの壁のような装置を省いて、床にそのまま椅子を並べてましたが、コンサート・ホールの設計上、幕がないので、群舞が装置によじ登ることをを隠せない以上、やむなしということだと思います。また、舞台脇に保健室のついたてのようなものを置いて、その裏で各自カーテンをめくってはけてってね、ということなのですが、舞台脇の席に座っているとそれが丸見えです。万一、サイドの席でバレエを鑑賞することになった場合には、「ここはキャットウォークなの、特別にここに招待されたの」の自己暗示をかけて、普段見慣れない視界を楽しむしかないかな~と思います。
 と、全然舞台の中身に関係ないことを長々書きましたが、スコーリク、アスケロフとも、黒髪でどこかエキゾチックです。スレンダーでしなやかなのですが、裏返せば線が細いということ。トレロを踊ったエフゲニー・イワンチェンコの余裕たっぷりな踊りとは対照的に、二人とも「決めるぜ!」という心意気が空周りしている感もありました。といっても、私の座っていた席が悪いせいで、動きの細かいブレが気になっただけかもしれませんが。

以下長々と公演が続くので、にまにましてしまった演目についてのみ感想を書きます。

第二部「小品集」
「Gentle memories」
エカテリーナ・コンダウーロワ 
アレクサンドル・セルゲイエフ アントン・ピモノフ イスロム・バイムラードフ

イリ・ブベニチェクか振付けた小品です。3人の少年(中高生くらい)がクラスのマドンナの気を引こうとあの手この手でという、ほのぼのした作品なのですが、結局彼女は誰も選ばなかったというところがほんのり切ない。男性陣の動きは面白くて、もう一回見せてくださいと思ったのですが、コンダウーロワは基本くるくる回ってるだけなので、やや単調だったかと思います。

「タランテラ」
ナデジタ・ゴンチャル
フィリップ・スチョーピン

お公家的なイメージがあったスチョーピンが実に楽しそうに踊っていたので、こちらまで幸せな気分になりました。マリインスキーの若手の男の子は、見せ場が多い役を与えられれば輝きだすんだな~と最近しみじみ思います。

「道」
ユリア・マハリナ


「白鳥の湖」よりアダージョ
アナスタシア・コレゴワ
ダニラ・コルスンツェフ


「タリスマン」
エカテリーナ・オスモルキナ
マクシム・ジュージン

オスモルキナは術後の経過が順調なのでしょうか。3月に観た時よりも回転が安定していてよかったです。

「ジゼル」
スヴェトラーナ・イワノワ
アレクサンドル・セルゲイエフ


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ウラジーミル・シクリャロフ
マリヤ・シリンキナ


第三部「お嬢さんとならず者」
イリヤ・クズネツォフ
エレーナ・エフセーエワ

 レトロといえばとってもレトロですが、ウォッカ一気飲みシーンといい、ロシアらしさあふれる作品です。筋金入りの不良である「ならず者」が、良家の子女に恋焦がれて、やっと彼女の心が傾いたところで、不良同士のいさかいで刺されてしまい、お嬢さんの腕の中で死んでいくというお話です。この不良同士のいさかいというのが、不良たちに絡まれたお嬢さんをならず者が助けたことで、不良たちの怒りを買ったのが原因です。なんだか昔の少女漫画にありそうな話です。
 
 何と言っても、今回の上演がとても面白かったのはイリヤ・クズネツォフのおかげです。冒頭のソロは、コンサートでも時折上演される、ガッチャガッチャしたショスタコーヴィッチの音楽に加えて、テクニック的にも見せ場が多いソロですが、彼が醸し出すチンピラらしさは素晴らしいとしかいいようがないです。がしかし、彼の魅力はチンピラ・オーラだけではありません。お嬢さんの手入れの行き届いた手にくぎつげになるところの魂を抜かれたような表情や、自分の粗暴さのせいでお嬢さんに怯えられて悶々とするところなど、にまにましながら拝見させていただきました。
 ようやっとお嬢さんが自分の愛を受け入れてくれて、喜びいっぱいにベンチに倒れこんだところで不良たちの仕返しにあって命を落とすところは可哀相なのですが、お嬢さんの腕の中で恍惚とした顔で死んでいく姿をみると、悲劇とも言い切れないような。
 
 「お嬢さん」を踊ったエフセーエワは、可憐さの演技の裏から元気のよさがちらちら見えてました。また、不良の元締めのガールフレンド(ギャングの情婦という設定もあるのですが、実際舞台でみるともっと無邪気に見えるのでキャスト表そのままの訳にしました)は、舞踊的には大きな見せ場はないものの、アリサ・ソードレワの美し~いおみ足とコケットリーはとても印象的です。
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by jicperformingarts | 2012-10-02 01:34 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)
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