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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
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2012.05.20 ペルミ国立バレエ「バフチサライの泉」

ナタリア・モイセーエワ
セルゲイ・メルシン
マリ=アニエス・ジロ
マラト・ファジェーエフ


ペルミでは現在第一回「ディアギレフ・フェスティバル」が開催されています。ペルミ市内の色々な会場で公演が行われていますが、この日はオペラ劇場の「バフチサライの泉」を観てきました。ザレマ役にパリ・オペラ座のマリ=アニエス・ジロを迎えての公演です。

かなりざっくりとしたあらすじはこちら。ヒロインは間違いなくマリアなのですが、この公演に限ってはザレマとギレイ汗が主役だったと思います。
まずはザレマですが、とりあえず、衣装がイマイチだったのは残念です。タチヤナ・ヴェチェスロワの舞台写真を参考にしたらしい2幕の衣装はウエストが太く見えてしまい、3幕のクリーム色のてろーんとした衣装もスタイルが悪く見えてしまいます。ですが、そんな衣装にも負けず(笑)、ハレムの他の女性たちを圧倒する存在感はさすが。ギレイ汗の寵を失ったと嘲笑する他の妻たちを一瞥で黙らせます。
ギレイ汗が連れ帰ってきたマリアに嫉妬して彼女を刺し殺す、ギレイ汗のかつての寵姫として、悪役としてみなされがちな役ですが、あまり悪女には見えませんでした。ギレイ汗の帰還後、自分に気のなさそうな汗の態度に、私の容色衰えたのかしら??と不安そうにするところだったり、ギレイ汗にぶつかる必死さは、奸計とは無縁そうです。
個人的には、汗に詰め寄るソロよりも、マリアに詰め寄るソロの方にぐっときました。夜、マリアの寝室に忍び込むのですが、当のマリアは突然の来訪者に喜んでいて、自分は恋敵でさえないのだというみじめさ、行き場のない怒りや悲しみをマリアにぶつけずにはいられない気持ちが伝わってきました。一度マリアに短剣をふりかざして結局殺すのをやめたところでギレイ汗が駆けつけて乱入したのでカッとなって刺した、というかんじでしょうか。処刑される場面でも、最後の最後までギレイ汗の恩赦を期待して、そして絶望しながら城壁の外に突き落とされるところは可哀そうでした。

と一幕はマリアが主役、ニ幕はザレマが主役っぽいのですが、三幕はギレイ汗が主役っぽいです。マラト・ファジェーエフが踊りました。長身のジロとちょうどいいバランスということは、彼もかなりの長身かと思います。舞踊的には大きな見せ場はありませんが、リフトは安定してました。かつて侵略された側のロシアの恨みがこもっているのかなんなのか、自分がマリアの国を攻め滅ぼさなければ…という自責の念からか、戦争を拒絶するようになり、バフチサライの泉という小さな噴水を作り、それを眺めてはマリアとザレマの幻影に苦しむのでした。完。というエンディングです。
この第三幕で、意気消沈するギレイ汗を鼓舞しようとする兵士たちの踊りはブラボーでした。もともと民族舞踊が強いペルミ・バレエなので、会場もここで一番湧いてました。特に将軍を踊ったロマン・タルハロフの力強い踊りは素晴らしかった。

マリアという役どころは、ザレマ、ギレイ汗(見事に鼻毛抜かれてます)二人を狂わす装置として、ひたすら美しく、ひたすら可憐でないといけない、生まれついての素質がものをいう役ですが、ナタリア・モイセーエワはちょっと気が強そうで、はまり役とは言えないかなと思います。
一幕の終わりではギレイ汗につかまってヴェールを剥がれた後、キッと汗を見据えていて、こういう気高さもありだとは思うのですが、三幕の寄る辺なさとはちょっとちくはぐ…。昔マリインスキー劇場で観たドゥムチェンコの、一族郎党と婚約者を目の前で皆殺しにされたショックで茫然自失のまま連れてこられる演技の印象が強いのだと思うのですが。それでも、暗い汗の後宮の一室で、一人マズルカを思い出して踊りかけて打ちひしがれるところは良かったです。 
by jicperformingarts | 2012-05-21 04:05 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)
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