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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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2012.04.01 マリインスキー劇場「世界バレエ・スターによるガラ・コンサート」

第一部「カルメン組曲」
ディアナ・ヴィシニョーワ 
ホセ・マニュエル・カレーニョ コンスタンチン・ズヴェーレフ

50分間程のバレエで、いつも途中でちょっと飽きてしまうのですが、今回は30分くらいに感じるほどあっという間。幕が開いた瞬間「すご」と思ってしまうヴィシニョーワの存在感と、場面ごとに違う顔を見せる演技あってのことだと思います。「かっこよくてエモーショナルな踊りもできるのよ」というダンサー本人の自己陶酔が見え隠れすることも少なくない中、ヴィシニョーワはカルメンになりきってました。
ホセとの最初のパ・ト・ドゥでは、ホセを突き放しつつも生暖かいというか、翻弄される彼をからかっている印象。次のトレロ(エスカミーリョ)とのパ・ド・ドゥでは、やっていることは似ているのですが、魂も何もかも巻き上げてやろうという憎悪のようなものを感じて、すごくスリリングでした。そして再びホセと踊る時の、魔性8割減の笑みは、カルメンなりにホセを愛してたんだな~と思わせます。もちろんその後の嫉妬に狂うホセとのいさかいの場面では、本気で怒ってる激しさがあるのですが。
ヴィシニョーワ(カレーニョも)は、年齢的なこともあり体のキレは一流ダンサーとしては平均。でもグラン・ジュテ一発など、テクニック的に抑えるべきところは抑えてます。
カレーニョは、カルメンを刺し殺すことについて、苦悩の末にというより、魔がさしてつい刺しちゃってから後悔するタイプでした。ズヴェーレフは長い手脚をいかした伊達男ぶり…以上の深い表現はなかったのですが、この空っぽさが、トレロという個人ではなく、「男たち」全体を象徴しているようで、ヴィシニョーワ演じるカルメンに合っていたかなと思います。

第二部 小品集
「忘れられた物語」
イリーナ・ゴールプ チムール・アスケロフ
元ハンブルク・バレエ所属のエミール・ファスキ振付の作品。舞台に現れては消えて、すれ違いを繰り返す前半に対し、後半は一緒に踊るのですが、シンクロした振付のところで、二人の動きがバラバラで残念と思ってしまう私はフィギュアスケートの観すぎでしょうか。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ マシュー・ゴールディング
オブラスツォーワは、脚はパッと高く上がるのですが、パッセでのスピード感はいまいち。ゴールディングは回転速度も速く、マネージュでも音にぴったりはまって爽快でした。リハーサル期間が短かったのか、リフトで流れが切れてしまうのが残念。

「白鳥の湖」よりアダージョ
オクサーナ・スコリク ダニラ・コルスンツェフ
スコリクはポワントの形といい旧ソ連的な香り漂う容姿です。とても丁寧に踊っていて好印象ですが、なんだか強そう…。時々目線がオディールです。コルスンツェフはサポートが上手だな~と再認識。

「海賊」よりグラン・パ・ド・ドゥ
エカテリーナ・オスモルキナ キム・キミン
オスモルキナは調子が悪そうで、ソロでもスピード感がなく、32回転もまわりきることができませんでした。キム・キミンは、サポートに余裕がないのと、着地の足音が大きいのが気になりましたが、途中から加速するピルエットや空中での速い回転は鮮やか。

「瀕死の白鳥」
ウリヤナ・ロパートキナ
改めて、長い腕をいかしたポールド・ブラは絶品。昨日「アンナ・カレーニナ」を観たときは、このポールド・ブラが優雅過ぎて狂気とか切迫感が削がれてましたが、今日の演目ならば存分に堪能できます。

「ドン・キホーテ」よりグラン・パ
ヴィクトリア・テリョーシキナ ウラジーミル・シクリャローフ
エレーナ・エフセーエワ
シクリャローフは、空中で開脚するところはエネルギッシュでおおっと思うのですが、そこで力尽きるのかボトッと着地するのがなんとも惜しい…。
シクリャローフもキミンも、ピルエットのサポートの際手元に注目すると必死感がすごいのですが、遠目に見るとシクリャローフのサポートがスムーズに見えるのは、テリョーシキナがそれだけ自立しているということかと。32回転フェッテでは、最後まできっちり4回ごとにドゥーブル織り交ぜていて、特に扇をパッと開きながらアン・オーとアン・ナヴァン(というより胸元に手を寄せてる)交互に見せていてお見事。
アダージョの後はエフセーエワが現れてヴァリエーションを披露。オペラグラスで顔をまじまじと見てもイマイチ確証が持てないくらい、別人でした…。最後のピルエットの連続では軸は綺麗でしたがアン・ドゥオールが…膝がほぼ前を向いてました。

第3部「シンフォニー・イン・C」
バランシン振付で、衣装といい本当に華麗な作品!男女ソリスト+男女2名ずつ、を4組続けた後、華やかなコーダで締めくくります。
最初は黄色系統の衣装。アリーナ・ソモワは動きにだいぶ神経が行き届くようになってきましたが、音になかなかはまらないのが残念。パートナーはマクシム・ジュージン。
そして次が緑系統ですが、ここでエカテリーナ・コンダウーロワ(クールビューティー)、クレニヤ・オストレイコフスカヤ(きれいなお姉さんは好きですか風)、スヴェトラーナ・イワノワ(妖精とかお人形さんとか)と美女大集結。コンダウーロワのアダージョはゆったり抒情的でよかった。
そしてブルーグレーの衣装で現れたのがオレーシヤ・ノヴィコワ。出産を経て増してきた貫禄はそのまま、持ち前の軽やかさも復活していて、いいダンサーになったなあと思いました。オクサーナ・スコリクを従えて踊るだけのことはある(笑)コーダでも音楽にパシッとはまるので一層華やかさがまします。パートナーはフィリップ・スチョーピン。ワガノワ・バレエ学校「くるみ割り人形」のハレーキンでばかり見ていたので、初めてちゃんと顔を観ました。跳躍の時の開脚がしなやか。
そして4組目(Allegro vivace)ですが、紫の衣装のマリア・シリンキナとアレクセイ・ティモフェーエフの後、そのままコーダになだれ込むので、コーダの先頭にも見えます。シリンキナの快活な踊りが素敵。

飛ばし飛ばし感想を書いたつもりなのにかなり長くなってしまいました。。。でもガラが盛りだくさんなのは良いことです。ここまで読んでくださった方、本当にどうもあるがとうございます!
by jicperformingarts | 2012-04-04 00:23 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)
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