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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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2011.12.24(夜) パリ・オペラ座「オネーギン」(シアラヴォア&ガニオ)

アエロフロートでバレエ巡り~パリ編~

続くかわかりませんが、新企画です。定期的にロシアにバレエ巡りの旅に出ていますが、その際アエロフロート利用でモスクワ+ヨーロッパ1~2都市のことが多いです。モスクワ止まりよりもヨーロッパまで出た方が航空券が安いとか、マイレージがたまりやすいとか、折角時差5時間モスクワまで来たらちょっと足を延ばしで色々なバレエが観たい、とか理由は色々です。アエロフロートといえば、よからぬ評判が定着していますが(笑)、最近の国際線は機体もキレイですし、客室乗務員の方々も英語が堪能です(むしろ、私はヨーロッパ系キャリア利用の時に遅延等の被害にあいます…)。
第一弾はパリです。実は今回はアエロフロート利用ではありませんが、まあ、一番よく行く都市だからということで…ご容赦ください。


次はイザベル・シアラヴォア&マチュー・ガニオの回です。客観的にグレードの高い公演であったと思いますが、それぞれの個性に合った作品で観る機会にも恵まれていたので、オネーギン&タチヤーナそのものだ!という感動は正直ありませんでした。すみません。

ガニオについては、容姿の瑞々しさがこの作品に限っては仇になってしまったのか、若く見えるオネーギンだなあと思いました。第一幕は、タチヤーナより一回り年上には見えません。足さばきの優雅さはまさに都会の貴族そのもので、タチヤーナと歓談中のはずが突然意識が飛んでいってしまうソロでも、所作の優美さが際立ちます。が、この優美さが、クランコ版オネーギンで顕著な攻撃性とは無縁に見えてしまいます。このソロで、第二ポジションでプリエしながら額に手を当てるところではうつむきがちで、どうしようもない鬱の虫を抱えた憂える貴族という感じです。
なので、原作のオネーギンの方に近いのかなあと思っていたのですが、第二幕では、タチヤーナに熱っぽい手紙を送られて、面倒くさいことになったといういら立ちが見え隠れします。憂さ晴らしに美人で踊りが上手くて享楽的でノリのいいオリガにちょっかいを出したらハメを外しすぎて、決闘沙汰に…という流れに見えてしまい、この辺も、どうしようもない鬱(バレエ版ではむしろ癇癪?)の虫というより、むしろ未熟さが招いた悲劇、に見えてしまいました。なお、このオリガと一緒にレンスキーを挑発するところの嫌みったらしさは秀逸以外の何物でもなく、これはレンスキーも怒り心頭に発するわ、と思いました。

シアラヴォワは、一幕から美しすぎるのが痛し痒しというところでしょうか。笑顔が美しく、お姉さんとしての落着きもあり、子供っぽさがあまりありません。第3幕ではまさに大輪の花です。最後のパ・ド・ドゥで、オネーギンをはねつけた後、髪をかきむしらんばかりでしたが、これがオーバーアクションに見えないというか、この位しないと自制できなかったんだろう、と思わせてしまう激しさはさすが。この人は脚、特にくるぶしから足にかけてのラインがとても美しいので、リフトされるとこのおみ足が一層映えます。

キャスト表ではこの回のレンスキーはフロリアン・マニュネとなっていますが、どう見ても同日マチネと同じFabien Revillionだったような??(12/29追記:当日鑑賞された方から、マニュネからRevillionに代役変更になったと教えていただきました。どうもありがとうございます。) お顔があまり好きなタイプではなかったのですが、人を見た目で判断してはいけませんね。とても若々しくバットゥリーも正確でパパンと小気味いい音がしていました。

それにしても、このバレエを見ていると、「悪ノリはほどほどに」「人生は堅実に」という忘年会シーズン中に含蓄に富んだ言葉が思い浮かびます…。
by jicperformingarts | 2011-12-26 07:09 | 公演の感想(バレエ)
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