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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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2011.12.23 パリ・オペラ座「オネーギン」(ジルベール&パケット)

アエロフロートでバレエ巡り~パリ編~

続くかわかりませんが、新企画です。定期的にロシアにバレエ巡りの旅に出ていますが、その際アエロフロート利用でモスクワ+ヨーロッパ1~2都市のことが多いです。モスクワ止まりよりもヨーロッパまで出た方が航空券が安いとか、マイレージがたまりやすいとか、折角時差5時間モスクワまで来たらちょっと足を延ばしで色々なバレエが観たい、とか理由は色々です。アエロフロートといえば、よからぬ評判が定着していますが(笑)、最近の国際線は機体もキレイですし、客室乗務員の方々も英語が堪能です(むしろ、私はヨーロッパ系キャリア利用の時に遅延等の被害にあいます…)。
第一弾はパリです。実は今回はアエロフロート利用ではありませんが、まあ、一番よく行く都市だからということで…ご容赦ください。


プーシキンの有名な小説「エフゲニー・オネーギン」をクランコがバレエ化した作品です。モチーフも、音楽もロシア産でありながら、名作であるが故の著作権管理の厳しさのためか、ロシアでこの作品をレパートリーに持っているカンパニーはありません。今回は3回鑑賞したのですが、書きたいことが沢山あるペアから感想を書かせていただきます。まずは12月23日はドロテ・ジルベール(タチヤーナ)とカール・パケット(オネーギン)の回からです。

ジルベールについては、実は2年前のパリ・オペラ座初演の時も観ていますが、その時よりも、3幕の迫力がはるかに増していました。第一幕、第二幕のタチヤーナは感情を上手く表に出せない内気な少女です。それば、10数年経った後の第三幕一場でも変わらず、艶やかというよりも思慮深く穏やか貴婦人という感じです。なので、これまで観てきたタチヤーナよりもやや平板なのかなと思っていたのですが、最終場のオネーギンとのパ・ド・ドゥで見せた慟哭というか感情の爆発に驚きました。第一幕の鏡のパ・ド・ドゥでは、タチヤーナの夢の中という、欲望が完全にオープンになるはずの設定にもかかわらず、あくまで清純な喜び方だったので、この対比に時の流れを感じます。
まさに埋火のような、といいますか、レンスキーが死んでからの数十年、抱え続けて消えなかった恋心の重みを実感しました。グレーミンへの愛情も疑いもなく、でも抑え続けていたオネーギンへの愛情がギリギリのところで上回り、でも最後の最後に更に理性が上回るという転換めまぐるしいボルテージの上りかたは、この作品の意図するところにぴったり沿っていたのではないかと思います。最後の、オネーギンへの情熱を押さえつける、理性の放つ気迫はすごかった。

パケットについては、踊りそのものにスキがない貴族らしさがあったかといえばそうでもなく、パの終わりのブレなど気になるところもありました。ただその分オネーギンの弱さというか、スペックに恵まれすぎて愛情に恵まれなかった人の孤独がリアルでした。
第一幕から、田舎の素朴さに癒されたら負け、と思っていそうなプライド高さは明らかで、タチヤーナも若干小馬鹿にしてそうです。ですが第二幕では、自分に幻想を抱いて盛り上がっている(ジルベールのタチヤーナは、本能的にはもっと深く彼を理解していたような気もしますが)タチヤーナにイライラし、自分を珍獣扱いする田舎の老紳士・老婦人にイライラし、更に「楽しかったわー、でも私が好きなのはレンスキーだ・か・ら♪ バイバイ!」と言わんばかりのオリガにイライラし…というスパイラルをなぞると、背景にはちやほやはされるけど最後の最後で自分は選ばれないという屈辱・孤独があって、その延長に決闘を招く悪ノリがあるような気がします。と思わせてくれた点で、パケットの演技には説得力がありました。
by jicperformingarts | 2011-12-25 07:49 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)
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