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ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
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5/5マリインスキー『セレナーデ/イン・ザ・ナイト/テーマとヴァリエーション』(一部5/3パリ・オペラ座)

 今回の旅のお楽しみの一つが、ジェローム・ロビンズの名作『イン・ザ・ナイト』をマリインスキー劇場とパリ・オペラ座で見比べてみよう!だったので、先にこの演目から書いてしまいます。もちろん、水準はもとより規模も世界最大級というこのカンパニーの公演を一回ずつ観たからといって、何か大層なことが書けるわけではありませんが、全く違う印象を受けたのは事実です。

「ジェローム・ロビンズへのオマージュ」より『イン・ザ・ナイト』
パリ・オペラ座(5/3)
メラニー・ユレル/マティアス・エイマン
エヴァ・グリンツスタイン/クリストフ・デュケンヌ
オレリー・デュポン/ニコラ・ル=リッシュ

 コンサートなどで抜粋だけ観ていて、ずっと全幕で観てみたかった作品です。明確なあらすじはなく、そのまんま、とある夜に3組のカップルが踊るという作品です。ですが、クライマックスで3組がバッタリ出会うところは、とてもドラマチックです。
 一番目のカップルは、グレーがかった水色の衣装で踊ります。ユレルとエイマンも、とてもはつらつとショパンのピアノ音楽を舞台中に振りまいてくれました。エイマンは若干サポートが危ういところもありましたが、それも若さのアピールか、という感じです。
 そして次がマズルカ風の踊りを披露したグリンツスタインとデュケンヌです。茶色というかオレンジというか、ともかく秋色の衣装です。グリンツスタインの人妻の貫禄というか(実生活がどうかは知りません)、堂々たる貴婦人ぶりに、まるで、一組目のカップルの10年後を観ているような錯覚にとらわれました。
 そして最後に登場するのは黒の下に赤がのぞくドレスのデュポンと、グレーの衣装を着たル=リッシュです。衣装が分かりやすいペアルック(笑)でなかったり、ワケアリカップルの香りがする等、明らかにこのペアがメインです。うねるようなリフトの後、パートナーは去り、また戻ってくる…を繰り返し、最後に抱き合って終わります。
 デュポンは、格調高い美しさです。ル=リッシュに手を伸ばして肩から腕に触れていきながらもすがりつくことに躊躇うシーンは、その理由を考えはじめると、この作品が非常にドラマチックなものに思えてきます。が、ここからそのまま「男」の前に腕を投げ出してうずくまるところは、ちょっと違和感です。彼女の演技は、この「全てをあなたに委ねます」と言いたげな振りをするには、あまりにも誇り高そうだったのかもしれません。 ル=リッシュはサポート上手いですね!この公演は3階席で観ていたのですが、一階3列目で観たマリインスキーのこのパ・ド・ドゥより迫力がありました。

※実は5/2も観ていたのですが、ほとんどまともに観れていないので、感想は控えます。でも、マリインスキーを含め3回観た中で、5/2のデルフィーヌ・ムッサンが一番良かったと思います。たおやかで…。

「セレナーデ/イン・ザ・ナイト/テーマとヴァリエーション」
5/5 マリインスキー劇場
『イン・ザ・ナイト』(本当はこの日2番目の演目でした)
マリヤ・シリンキナ/デニス・マトヴィエンコ
アリーナ・ソモワ/コンスタンチン・スヴェーレフ
ヴィクトリア・テリョーシキナ/ユーリ・スメカロフ

 これは単純にカンパニーの個性だろうと思いますが、マリインスキーの方が、蔦のように優美な腕から身のこなしまで美しかったです。が、最初の二組の差別化は正直微妙です。これだけキレイならまあいいやと思って「ショパンのピアノ音楽」らしいロマンティシズムにごまかされてみるものの、でも全然違う音楽なのに…、と気になる箇所もありました。マトヴィエンコにしてもズヴェーレフにしても、サポートに徹してこそ輝き3割増しというダンサーではないので、それも通常比で不完全燃焼な印象が残った理由です。
 そして最後のカップルがテリョーシキナとスメカロフでしたが、抑えても抑えきれない愛情というよりも、愛の苦しみを直球(剛速球?)で謳い上げてしまった感がありました。先程デュポン/ル=リッシュのところでも触れた、「男」の前に腕を投げ出してうずくまるくだりですが、これはやはり抑制の表現だと思うので、テリョーシキナのパフォーマンスの中で浮いてしまった感じでした。

『セレナーデ』
アナスタシア・マトヴィエンコ
エフゲニー・イワンチェンコ / アレクサンドル・パリーシュ

 最初、群舞がバラバラでう~んと思いましたが、後半は、バランシンの硬質な振り付け(絶対この人は理系だと思う)と、マリインスキーの草食系なところが醸し出す透明感にうっとりでした。
その中で、アナスタシア・マトヴィエンコは華奢なんですがお肉をモリモリ食べてくるところが思い浮かぶダンサーで少し系統が違います。
 系統が違うと言えば、パリーシュはイギリスから移籍してきたダンサーと言うことです。舞踊的にそんなに見せ場がある役ではなかったので力量の程はわかりませんが、あの体型が膨張して見える衣装でも普通に見えたということで、容姿には恵まれているのではないでしょうか。

『テーマとヴァリエーション』
オレーシア・ノーヴィコワ/レオニード・サラファーノフ

 個人的に、『イン・ザ・ナイト』が、キレイだけどちょっと地味なパフォーマンス…だったのすが(こちらが期待しすぎたせいもあります)、この作品で締めくくってくれたので、この日の満足度は高かったです。
 ノーヴィコワは、衣装もさることながら、それ以上に本人がキラキラしていました。アレグロが得意で軽快なイメージだったので、脚裁きが身上の、素敵な振り付けのソロは本来十八番だったのではないかと思いますが、今回そのあたりは産休明けのせいかまだまだ未回復でした。
 サラファーノフは、サポートの前に妙な気合いが入っていて、流れがそのたびに切れるとこはいかがなものかと思います。でも、キレのあるジュテはさすがに美しく、群舞をひっさげて踊るに相応しいダンサーなんだなと実感しました。
by jicperformingarts | 2010-05-05 19:00 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)
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