ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
by jicperformingarts
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11/17 ノヴォシビルスク国立オペラ劇場 「フォーキン・プロ」

  “ショピニアーナ” アンナ・アジンツォーワ / ロマン・ポルコーヴニコフ
  “韃靼人の踊り” マクシム・グリシェンコフ 
  “シェヘラザード” ナタリア・エルショワ / イーゴリ・ゼレンスキー


  世界的なダンサーで、昨シーズンからこの劇場の芸術監督を務めているゼレンスキーが“シェヘラザード”を踊るということで行ってみました。考えることはみんな一緒なのか、観客がまばらだった昨日とはうって変わって9割以上の客の入りです(笑)
  “ショピニアーナ”ではマズルカを踊ったクリスチーナ・スタロスチナの跳躍がとても軽やかで印象的です。ポルコーブニクはあまりにも少年らしすぎて、この役に必要な浮世離れした雰囲気が足りなかったのですが、ソロもサポートもソツなくこなしてました。
  第2部は“韃靼人の踊り”だけなので15分程度.。あっという間でした。男性ソリストのマクシム・グリシェンコフがパワフルでよかっただけに、「メイクと衣装、もうちょっとかっこよくしてあげて…。ついでに女性陣の衣装も…」と心の底から強く思いました。
 そして最後は“シェヘラザード”です。ゾベイダのナタリア・エルショワはポーズもいいポジション研究しました、という感じで健闘していましたが、もうちょっと自然なお色気が欲しかったです。ゼレンスキーに関しては、地方都市に突然世界の横綱級が登場した形なので、一バレエファンとしていいものを観たな~と素直に思いました。
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# by jicperformingarts | 2007-11-17 18:30 | 公演の感想(バレエ)

11/16 ノヴォシビルスク国立オペラ劇場 「スペードの女王」

     ゲルマン/ オレグ・ヴィヂェマン
     リーザ / ユリア・シャグドゥロワ
     伯爵夫人 / ガリーナ・ブビチョーワ

  
  女性コーラスは繊細でいいと思います。普段聞いているマリインスキーのオペラは男性も女性も恐ろしいほどの迫力なので、女性らしくて癒されました。衣装・装置もゴージャスというほどではないですが、趣味がいいので「慎ましい」という印象。優しげといいますか、個人的にこういうのは好きです。この日は最廉席の110ルーブリ(500円弱)で見ましたが、傾斜があるので観やすかったですし、割とどこからでも観やすい構造だと思います。
 女性ソリストも高水準でおおっと思ったのですが、ゲルマンは出っ腹のおじさんでびっくりしました。オペラではよくあることとはいえ、肝心の歌もぱっとせず、「そりゃあカードの魔力を借りないとリーザをものにはできないよねー」と思わずにはいられなくて逆に物語に説得力がうまれた格好です。 
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# by jicperformingarts | 2007-11-16 18:30 | 公演の感想(オペラ)

11/14 ノヴォシビルスク国立オペラ劇場 「コッペリア」

    スワニルダ / アンナ・ジャロワ
    フランツ / マクシム・グリシェンコフ 


 舞台が異様に広いので群舞のアラは多少目立つものの、劇場というハード、衣装・装置すべてひっくるめた総合点でいくと、今回回った地方都市の中では一番よかったかなあ、という印象です。
 主役のアンナ・ジャロワはスタイルは良くないですが、その分コントロールがきいた快活そうな踊りで好印象。それにしてもワガママそうなスワニルダ(笑)グリシェンコフはサポートが苦手な様子で正直頼りなかったですが、跳躍は勢いもあるし、元々フランツがおばかさんな役なので、まあご愛嬌という範疇です。
 という感じでダンサーのレベルもあかぬけた雰囲気があってなかなかなのですが、例えばスワニルダの友人が8人というなんとも微妙な数字な上に、実力がバラバラのダンサーを並べて踊らせていてトータルで見るとスマートではない、というようにあちこち損をしているのがもったいないなあと思いました。
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# by jicperformingarts | 2007-11-14 18:30 | 公演の感想(バレエ)

11/12 グリンカ記念チャリャビンスク・オペラ劇場 「第11回グリンカ記念国際コンクール/ファイナル」 

 ここはまず劇場が人形の家みたいでとってもかわいい!
 声楽のコンクールの決勝ということで、女性7人、男性6人がそれぞれ2曲ずつ歌います。 個人的に印象深かったのはソプラノではカザフスタン出身のサルタナート・アフメトワ。とても透明感のある美しい声で、印象的なリュウのアリア(「トゥーランドット」より)でした。そして、メゾソプラノのオクサーナ・ヴォルコワが、う~ん華やか!でした。黒のドレスでエボリの姫(「ドン・カルロス」より)を歌う彼女は、演技はバリバリ、角度もキメキメなのに失笑を誘わないのは、やっぱりこの華やかさのなせる業でしょう。そして大トリ(単にエントリーナンバーの都合上ですが)のガッリ・アガジャニン(バス)の声量が圧倒的でした。
 コンクールなのですが、生オーケストラで有名なアリアがたくさん聞けたし、ムラート・アンナマメドフの指揮が良くて、これで30ルーブリ(150円弱)なら大満足です。ホクホクしながら劇場を後にしました。
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# by jicperformingarts | 2007-11-12 14:00 | 公演の感想(オペラ)

11/11 ルナチャールスキー記念エカテリンブルク国立オペラ劇場 「千夜一夜物語」

    シャリアール王 / セルゲイ・クラシチェンコ
    ヌリーダ / アリヤ・ムラトワ
    シェヘラザーダ / エレーナ・スサノワ


 サーカスが17:25終演、この公演は18:00スタートということで、慌しかったです。
 「ペルシャの王様シャリアールは愛する妻ヌリーダの不義をしってお手打ちにしてから女性不信に陥り、国中の娘に手を出しては殺して…を繰り返しますが、そこに将軍の娘シェヘラザーダが後宮にあがります。聡明な彼女は毎晩寝物語を聞かせづづけ、1001晩経つころには、シャリアール王は既に彼女を殺せないほど愛していたのです。めでたしめでたし」というあらすじです。
 まずシャリアール王のクラシチェンコが迫力ある踊りで印象的です。そしてヌリーダのムラトワもエキゾチックなお色気のあるスレンダー美女、というようにダンサーの印象は悪くないのですが、やはりこちらも演出がよろしくなくて残念です。ソ連時代のお堅さそのままで、装置も衣装も振付も正直ダサい(笑) 
 こう書くと、この劇場の印象が悪くなってしまいそうですが、プログラム売りのおばちゃんによると、「白鳥の湖」「眠れる美女」「くるみ割り人形」は素晴らしいそうですし、最近はパリ・オペラ座からジャン=ギョーム・バールを呼んで「海賊」を新制作 したりしていて興味深いので、また機会があれば足を運びたい劇場です。
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# by jicperformingarts | 2007-11-11 18:00 | 公演の感想(バレエ)

11/11 エカテリンブルク国立サーカス 「Цирк на Ваде」 

 敢えて訳するなら“水上サーカス”という感じです。街角のポスターのアシカさんの写真に惹かれてフラっと行ってみた公演です。 アクロバットなどのレベルはモスクワやペテルブルクに比べて見劣りはするものの、そこは趣向でカバーということでしょうか。朝公演のチケットは売り切れ、15:00~の昼公演も9割ほど客の入りです。
 「水」を使った出し物ということで、シンクロナイズドスイミングを応用した出し物が多く、そしてアナコンダとクロコダイルも登場です。それから、客席から3人の男性をステージに呼んできて、いきなりパンツ一枚にしてプールに落とす出し物にはビックリしました。やらせるスタッフも、それでもノリノリの3人のロシア人男性も、大爆笑の観客も、やっぱりここは日本じゃないんだな~と実感させられました。 
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# by jicperformingarts | 2007-11-11 14:54 | 公演の感想(サーカス) | Comments(0)

11/10 ルナチャールスキー記念エカテリンブルク・オペラ劇場「ロメオとジュリエット」

ジュリエット/ ナタリヤ・クズネツォワ
ロミオ / ミハイル・エフゲーノフ


 日本での知名度はゼロに近いカンパニーですが、実は国家からの補助金支給対象に認定されてるのは地方都市ではノヴォシビルスクとここだけ(他は地方自治体からの補助金です)。
 優美な外観をした美しい劇場で、ソリストの見栄えもペルミより格上の印象ですが、演出が良くない(笑)振付そのものは悪くないのですが、全般に抽象的過ぎてわかりにくかったり、装置・衣装が貧相で群舞の人数も少なめだったりと、娯楽性に欠ける印象です。
 それでもクズネツォワとエフゲーノフは、テクニック的に不安定な所はあるものの、若々しくて容姿も魅力的。それにここのバレエ団は「オジサン世代」のダンサーがやたらと充実しているので、別の演目で観たかったなあというのが率直な感想です。
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# by jicperformingarts | 2007-11-10 14:42 | 公演の感想(バレエ)

11/9 チャイコフスキー記念ペルミ・オペラ劇場 「白鳥の湖」

オデット&オディール / ヤロスラヴァ・アラプタノワ
ジークフリート / ロベルト・ガブドゥーリン 
 

 ロシアの地方都市でもトップクラスのバレエ団だけあって、この日の公演はほぼ満席でした。席に着いた時の第一印象は「舞台狭いなあ」だったのですが、公演全体の印象もこれに尽きます。舞台が狭くて群舞がのりきらなくなるため、装置がかなり簡素になり、24人の群舞と8人のソリストがひしめき合ってすし詰め状態(動きが小さくなる分アラは目立たないのですが)になり、王子様は自分の座る椅子を持ち運ばねばならない上、オディールにだまされて愛しのオデットに許しを請うべく走り去るシーンも、音楽余るからのろのろ歩いて退場するしかなく(笑)という感じで。
 オデットを踊ったアラプタノワは、登場した瞬間に「あ、白鳥だ」と思えるレベルです。見栄えのする派手なテクニックはありませんが、音楽をギリギリまでひっぱる踊り。ディテールも凝ってて好印象です。その他にも民族舞踊はさすがの盛り上がだったのもあり、全体的に楽しめる公演水準でした。
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# by jicperformingarts | 2007-11-09 14:39 | 公演の感想(バレエ)

11月7日 オブラスツォ記念人形劇場 「くまのプーさん」 

  今回行ったのは子供向けの人形劇ですが、「カルメン」「リゴレット」など大人向けのプログラムもありますし、劇場というハコ自体がとても充実してるので、行く価値アリといったところです。劇場内にマリオネット博物館があり、収蔵品もかなり充実してるので、開演前・休憩時間と退屈しません。公演自体は、ミュージカルで登場人物がマリオネットとイメージしていただけたらと思いますが、セリフは全てロシア語なので 「ヘラクレス」や「アラジン」など、よく知られた演目でないとわかりにくいかなと思います。
 今回の公演内容に限定していえば、子供向け公演だけあって、子供だましだな~という印象です。ロシアの「くまのプーさん」は、ディズニーと違ってタヌキみたいであまりかわいくありません(笑) 
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# by jicperformingarts | 2007-11-07 14:35 | 公演の感想(その他) | Comments(0)

11/4 マリインスキー劇場 「ジュエルズ」

“エメラルド” アレクサンドル・セルゲイエフ / オレーシア・ノヴィコワ
“ルビー” イルマ・ニオラーゼ / アンドリアン・ファジェーエフ
“ダイヤモンド” アリーナ・ソモワ / ダニラ・コルスンツェフ


  朝公演なのになぜかほぼ満席でした。みんな朝早くからお疲れ様です…。
  第1部は“エメラルド”。期待の若手ペアということで、緑の衣装がピッタリですがすがしかったです。他にもダリや・ヴァスネツォワのソロが、牧歌的な透明感があって癒されました。
  第2部の“ルビー”では準主役のエカテリーナ・コンダウーロワが眩しかったです。彼女はクールな雰囲気に反して、とてもおっとりした動きをするダンサーなので、そこは作品とミスマッチなんですが、その分新鮮な魅力がありました。
 第3部“ダイヤモンド”では、ソモワがこの作品を踊るには淑女然とした雰囲気に欠けるのは確かなものの、丁寧に踊っていて好印象でした。というか、彼女の苦手とする回転・細かいステップなどの技巧が終盤以外あまりないので、元々彼女の持ってるラインの美しさが活かされた格好です。ただやっぱり、終盤の乱れっぷりがすごくて(笑)もうちょっとテクニックに余裕があればなあと思いました。
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# by jicperformingarts | 2007-11-04 14:32 | 公演の感想(バレエ)

11/3 ミハイロフスキー劇場 「ジゼル」初演

ジゼル/ディアナ・ヴィシニョーワ
アルベルト/イーゴリ・コールプ
ミルタ/ヴィクトリア・クテポワ  
ハンス/ウラジミール・ツァル


  総じた感想は「ハード(演出)はいいけどソフト(ダンサー)が…」です。決してダンサーの水準が低いわけではありませんが、だた主要キャスト4人中3人がマリインスキーからのゲストでは、この劇場のバレエを観た気がしないので、いいのか悪いのか判断がつかない、ということです。
 振付はオーソドックス、装置・衣装はシックかつ手の込んだつくりで日本人好みです。特にいいな、と思ったのは、2幕の最初と最後にスモークをかなりきつく焚くこと。おかげで霧の中からジゼルがスッと出てくるという、今まで観た中で一番自然かつ美しい登場の仕方でした。
 ダンサーについて触れないのも不自然なので。
 ヴィシニョーワのジゼルは、彼女にしては珍しく若干退屈させる演技でした。相変わらずの華やぎで、つやめく美しさなのですが、全幕で発揮される彼女の演技の奇抜さが、この日に関してはイマイチでした。
 彼女にあわせてコールプも、古典的な空気がないのに(勿論そこが面白いんですが)極めてオーソドックスな演技をしていたので、最後まで違和感ぬけませんでした。
 ネガティブなことばかり書いてますが、勿論テクニック的には二人とも完璧です。ついついプラスαを求めてしまうのは、やっぱり二人が一流で、もっといい舞台を何度も見せてくれてるからなんだろうと思います。
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# by jicperformingarts | 2007-11-03 14:28 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)

11/2 マリインスキー劇場 「Kings of the Dance(ダンスの王様)」

ヨハン・コボー(デンマーク)
アンヘル・コレーラ(スペイン)
ニコライ・ツィスカリーゼ(ロシア)
イーサン・スティーフェル(アメリカ)
(ドリトリー・グダーノフ、ニーナ・カプツォーワ;ロシア

 
 それぞれのダンサーはよく個別に日本に来ているのでおなじみですが、全員集合して一つの作品を踊るとなると見逃せない!ということで行ってきました。 クラシックではなくて現代作品のガラ、それも豪華キャストということで、ペテルブルクの観客の反応は熱狂的でした。
 第1部は“FOR 4で、文字通り4人が勢ぞろいする中、コレーラがドリルのような回転で一番の喝采を浴びてました。第2部は「レッスン」という一幕物のブラック・コメディです。ダンス教師役のツィスカリーゼの変態っぷりは、それはそれは恐ろしかったです。そして第3部は4人がそれぞれソロを踊ると言う構成。
 現代バレエといっても、どれも難解な印象はなくて、脂ののり切ったスターたちが洗練されたテクニック・表現力を披露するという印象で、観客へのアピールがすごかったです。いろいろ感想はつきないのですが、個人的にはスティーフェルが第3部で踊った“PERCUSSION Ⅳ”が文句なしにカッコよかったです。
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# by jicperformingarts | 2007-11-02 14:25 | 公演の感想(バレエ)

11/1 マリインスキー劇場 「オテロ」初演

オテロ/ウラジーミル・ガルージン
デズデモーナ/イリーナ・マターエワ 
イアーゴ/セルゲイ・ムルザエフ

 
 オペラでこの作品を観るの時は、母語で観るならともかくも、小説などで予習をきちんとしておくべきだと実感しました。でないと、夫「お前浮気してるだろ」、妻「してないわ」のやり取りを3時間近く繰り返した後、「やっぱ信じられん!」と言って妻をキュッと殺してしまう、というとても恐ろしい作品だという印象だけが残ります。
 主役は国民的歌手のウラジーミル・ガルージン。とてもエキセントリックで引き込まれます。個人的に嬉しかったのは、マターエワが美しかったこと(笑)デズデモーナというにはちょっと女の貫禄ありすぎかな?という気はしますが、それでも声の美しさで十二分にカバーしてました。マリインスキーは美人(しかもスレンダー)のプリマドンナが多いので、ドラマチックな作品でも違和感なく楽しめます。
 最後に演出に関して。最近のマリインスキーの傾向どおり、決して正統派の演出ではありませんが、城壁を模した装置で巧くコーラスと主役の距離を取るなど、程よく簡素、程よく奇抜で趣味はいいと思います。

 
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# by jicperformingarts | 2007-11-01 14:19 | 公演の感想(オペラ)

10/28 マリインスキー劇場 「海賊」 

メドーラ/ ソフィア・グメロワ 
コンラッド/ダニラ・コルスンツェフ
アリ/レオニード・サラファーノフ
ギュリナーラ/アナスタシア・コレゴワ


 アナスタシア・コレゴワがお目当てで行った公演です。なるほどたたき上げというだけあって、優雅さはマリインスキーの中にあってはさほどでもないものの、意識してレッスンしないと出来ないような動きをサラッとやるので、好印象でした。
 今日の一番人気はサラファーノフで、切れ味のよい超絶技巧で客席を沸かせてくれました。とはいえコルスンツェフもグメロワをクリアに9回転まわしていて、負けてないな~と思いました。彼は本当にサポート上手です。こんな感じで、主役4人がそれぞれ様々な持ち味で、全体にバランスの良い公演でした。
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# by jicperformingarts | 2007-10-28 14:05 | 公演の感想(バレエ)

4/2 エイフマン・バレエ『アンナ・カレーニナ』(コンセルヴァトーリヤ)

 チャイコフスキーの音楽を使ったエイフマン・バレエの2幕仕立ての新作です。一幕がやや長く60分程度、二幕が40分位でしょうか。思うに、エイフマンの全幕作品は後半が良いです。この作品も、二幕の方がずっと良かったです。
 トルストイの同名の小説がもとになっていますが、ほどよく抽象的になっています。まず、カレーニンが偏執狂のようにアンナを愛していて、キモイ!!と思わずにはいられないくらい素敵でした。ねっとりぶりがかなり強調されていて、それはアンナもドン引きするだろうと思いましたが、それだけに、ウロンスキーより光っていたかも知れません。
 一幕の終わり方の、暗闇のなかにおもちゃの機関車とアンナ、という光景がとても印象的でした。子どもへの愛情がじんわりと伝わってきます。ただ、子どもへの愛情はここでしか強調されません。二幕以降の二人の破局は、社会的な軋轢という外部的なものだけが原因に見えてしまうので、夫は捨てられてても子どもは捨てられないアンナの葛藤も、もっと盛り込んで欲しかったと個人的に思います。
 とはいうものの、二幕でアンナが上流社会に振り回されて振り回されて気が狂っていくシーンは強烈です。とてもダイレクトな表現方法ですが(そのまんま振り回されてる、とも言う)、陳腐ではなくひたすら圧倒的でした。
 あとは自殺のシーン。ロシア人は、やはりこのお話をよく知っているようで、汽車の音が聞こえてきた瞬間、皆身を乗り出します。そして、汽車の音とアンナの狂気がピークに達した瞬間、アンナが飛び込んで自殺するのですが、この緊張感と、それがはじけて、アンナの死体が無機質に運ばれていくシーンの静けさの対比が見事で、なんとも言い難い余韻が残るエンディングでした。

このプルミエはダブルキャストだったのですが、結局どちらが踊ったのかアナウンスがなかったので、両方記載しておきます。

アンナ: マリヤ・アバショ-ワ or ヴェラ・アルブゾワ
カレーニン:アルベルト・ガリチャーニン or オレグ・マルコフ
ウロンスキー:ユーリ・スメカロフ or アレクセイ・トゥルコ
 
 
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# by jicperformingarts | 2005-04-02 19:00 | 公演の感想(バレエ) | Comments(0)


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