ロシア:劇場のしおり


旧ブログ名:『サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記』■サンクト・ペテルブルクやモスクワを中心に、ロシア各都市の劇場トピックスなどをご紹介しているJIC旅行センターのブログです。
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カテゴリ:公演の感想(オペラ)( 7 )

1/31 ミハイロスキー劇場 「カヴァレリア・ルスティカーナ」

        トゥリッドゥ/ワシリー・スピチコ  
       サントゥッツア/タチヤナ・アニシモワ

 
  ミハイロフスキー劇場の新作一幕オペラです。100ルーブリ(≒450円)の立見席で観ましたが、上演時間が1:20ほどだったので、それほど疲れませんでした。 女の嫉妬も怖いが男の嫉妬も怖い、という話で、あおり文句をつけるなら、間違いなく「復活祭のシチリアで繰り広げられる愛憎劇!」なのですが、美しい音楽、特にコーラス部分が秀逸で、あまり陳腐な感じはしませんでした。クライマックスが特によかったです。
 それは装置によるところも大きいと思います。街角(下手にアパルトマン、上手に教会)をそのまま切り取って舞台に載せたかのようで、ディズニー・シーばりに精巧です(笑) 床がちゃんと石畳になっていて、マンホールまであるのも芸が細かいですが、更にそこに水が流れ込んで出来たシミまで作り込んであるのには脱帽です。
 肝心の歌手ですが、まずコーラスがまだざらつきはあるものの迫力がありました。主役、“美男子”たるべきトゥリッドゥが、所作といい歌といい普通のおじさんだったので、恋敵にあたる街一番のお金持ち・アルフィオの方が魅力的でした。世の中って不公平…。
 衣装は割と平凡でしたが、全般にクラシカルで見ごたえのあるオペラだったので、オペラデビューしてみたい日本人に是非オススメしたい作品だと思いました。休憩なしの80分間ではありますが、話の筋も追いやすいので、集中力をそれほど消耗しないですみます。
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by jicperformingarts | 2008-01-31 19:00 | 公演の感想(オペラ) | Comments(0)

1/7  マリインスキー・コンサート・ホール 「魔笛」

      タミーノ/アレクサンドル・チムシェンコ 
      パミーナ/オクサーナ・シロワ
      パパゲーノ/エフゲニー・ウラノフ
      パパゲーナ/エレーナ・ゴルシュノワ  


 とっても楽しくて2時間55分があっという間でした。演出を手がけたアレン・マラトラがインタビューで「サーカスみたいな舞台構造に」と語っていたとおり、ホールの中央に四角い小さいステージを設けてその四方を客席で囲む形になっていて、装置らしい装置もないので、客席と舞台の境界がかなり曖昧です。そんなわけで、歌手(一応オペラなので…)に与えられた空間はかなり広くて、客席までめいいっぱい使って演じていました。
 特に客席を縦横無尽に行ったり来たりで(しかも声もいいので)一番目立っていたのがパパゲーノです。うら若き女性客のほっぺにチュー出来た上に、それで拍手できるなんて役得です(笑) もう一人目立っていたのがパミーナ役のオクサーナ・シロワです。まず歌手としてとてもパワフルで魅力的だし、演技も上手です。衣装が寝間着みたいなのはいただけないですが…。
 その他基本的に現代的な演出なのですが、パパゲーノの衣装が中国風だったり、3人の侍女は能面を被って登場したり、獅子舞が登場したり、という感じでした。中国か日本なのかどっちかなあと思いましたが、ヨーロッパ人がエキゾチズムを借りて「魔法の」空間を演出したわけなので、厳密に考えることはないかもしれません。
 こんな感じで皆俳優のように演じていましたが、さすがマリインスキーだけあって、各登場人物のアリアはそこだけで聞き応えがありました。
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by jicperformingarts | 2008-01-07 12:00 | 公演の感想(オペラ)

12/24  マリインスキー劇場 「ガラ・コンサート」

 「ガルージンと輝ける仲間たち」と「ロパートキナと輝ける仲間たち」を同時上演したかのような公演でした。格が違う…(笑)
 バレエファンの私ですが、この公演に関してはオペラの出し物の方が楽しめました。演目数が多いので、印象に残ったもののみ箇条書きで感想を述べます。
第一部
 「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ(オーケストラ)
 オペラ「アレコ」より イリヤ・バンニク
 オペラ「ジャンニ・スキッキ」より ヴィクトリア・ヤストレボワ
 バレエ「海賊」 エルヴィラ・タラソワ アンドレイ・バタロフ
   バタロフの胸毛が気になって仕方ありませんでした。
    いくらダンサーは踊りで勝負といっても、鳥の巣みたいで…(笑)
 オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より アンナ・マルカロワ
 オペラ「愛の妙薬」よりロマンセ ドミトリー・ヴォロパエフ
    歌手のおかげか曲のおかげかわかりませんでしたが、
    とてもひきこまれました!
 バレエ「タラス・ブーリバ」 アンドレイ・イワーノフ
   バレエ・ガラならもうちょっと拍手が大きかっただろうに…惜しいです。
 オペラ「ランスへの旅」より ダニール・シュトーダ エレーナ・ツヴェトコワ
    ツヴェトコワは鈴を転がすというより鈴を引きずるような声だったけど、
    ほとんど動いてないのにちゃんとドラマになってるのには感心しました。
 オペラ「アルルの女」より ダニール・シュトーダ
 バレエ「アレルキナーダ」 エレーナ・シェシナ アンドレイ・イワーノフ
 オペラ「セビリアの理髪師」より ヴィクトル・コロチッチ
    この方もお芝居が達者でいらっしゃる。小洒落た感がイタリア・オペラでした。
 バレエ「ディアナとアクティオン」 タチアナ・トカチェンコ ミハイル・ロブヒン
   ロブヒンが頑張ってて「おおっ」と思いましたが、トカチェンコは伸び悩んでる印象。 
 オペラ「オテロ」より ウラジーミル・ガルージン ナタリヤ・チムシェンコ
   一幕のデュオでした。
   彼のオセロを全幕で観ていただけに、その後が思い出され…
第二部
 「カルメン」より序曲(オーケストラ)
 オペラ「サムソンとデライラ」より オリガ・サヴォワ
 バレエ「病めるばら」 ウリヤナ・ロパートキナ イワン・コズロフ
   おととし観たときよりも、ずっと良くなっていました。
   ロパートキナは私の中では「雪の女王様」というイメージなので、
   「母性」とか「生々しい女らしさ」を削ぎ落とした作品だと、彼女は本当に神々しい。
 「ウィーンの森の物語」(オペラ) ラリサ・ユージナ
   彼女の超高音に眠気も吹き飛んだのか、面を上げる人が多かったです。
   傾斜の少ない平土間席にいたので、一気に舞台が見にくくなりました(笑)
 バレエ「バヤデルカ」 タチアナ・トカチェンコ ダニール・コルスンツェフ
 オペラ「トスカ」より ウラジーミル・ガルージン
   アンコールの「トゥーランドット」もですが、もうプッチーニの音楽は本当にきれい!
   この歌手で聞けて本当に良かったです。 
 オペラ「パリアッチ道化師」より ウラジーミル・ガルージン
   ここら辺からもうガルージンの独壇場で、
 アンコールに 「トゥーランドット」の“誰も寝てはならぬ” を披露してくれました。
   個人的にはこれが今日一番のパフォーマンスです。余韻に浸りたかったので、この日は歩いて帰宅しました。
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by jicperformingarts | 2007-12-24 19:00 | 公演の感想(オペラ)

12/14  モスクワ音楽劇場 「マダム・バタフライ」 

    蝶々さん/ナタリア・ムラディモワ 
    ピンカートン/ミハイル・ウルソフ


 日本人はこの作品を舞台で観てはいけないのかもしれません…。どうでもいいツッコミに終始してしまって、オペラ本来の楽しみ方が出来ません(笑)
 最後に蝶々さんがハラキリするのでビックリしました。それまでは、まあイタリア・オペラなんだし、と思えば許容範囲だったのですが、最後の最後に「うわあ、もう我慢できない!」とついプッと笑ってしまいました。刀にキスしてから切腹って、微妙に騎士道と混ざってるし…でも最後にちゃんと三途の川渡ってるし…。研究してるんだかしてないんだか(笑)
 そのインパクトで肝心の公演全体の感想が吹き飛んでしまいましたが、ピンカートンのウルソフは良かったと思いますし、蝶々さんのアリアは旋律にうっとりなので、やっぱりこの作品はCDで聴きたいと心から思いました。
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by jicperformingarts | 2007-12-14 19:00 | 公演の感想(オペラ)

11/16 ノヴォシビルスク国立オペラ劇場 「スペードの女王」

     ゲルマン/ オレグ・ヴィヂェマン
     リーザ / ユリア・シャグドゥロワ
     伯爵夫人 / ガリーナ・ブビチョーワ

  
  女性コーラスは繊細でいいと思います。普段聞いているマリインスキーのオペラは男性も女性も恐ろしいほどの迫力なので、女性らしくて癒されました。衣装・装置もゴージャスというほどではないですが、趣味がいいので「慎ましい」という印象。優しげといいますか、個人的にこういうのは好きです。この日は最廉席の110ルーブリ(500円弱)で見ましたが、傾斜があるので観やすかったですし、割とどこからでも観やすい構造だと思います。
 女性ソリストも高水準でおおっと思ったのですが、ゲルマンは出っ腹のおじさんでびっくりしました。オペラではよくあることとはいえ、肝心の歌もぱっとせず、「そりゃあカードの魔力を借りないとリーザをものにはできないよねー」と思わずにはいられなくて逆に物語に説得力がうまれた格好です。 
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by jicperformingarts | 2007-11-16 18:30 | 公演の感想(オペラ)

11/12 グリンカ記念チャリャビンスク・オペラ劇場 「第11回グリンカ記念国際コンクール/ファイナル」 

 ここはまず劇場が人形の家みたいでとってもかわいい!
 声楽のコンクールの決勝ということで、女性7人、男性6人がそれぞれ2曲ずつ歌います。 個人的に印象深かったのはソプラノではカザフスタン出身のサルタナート・アフメトワ。とても透明感のある美しい声で、印象的なリュウのアリア(「トゥーランドット」より)でした。そして、メゾソプラノのオクサーナ・ヴォルコワが、う~ん華やか!でした。黒のドレスでエボリの姫(「ドン・カルロス」より)を歌う彼女は、演技はバリバリ、角度もキメキメなのに失笑を誘わないのは、やっぱりこの華やかさのなせる業でしょう。そして大トリ(単にエントリーナンバーの都合上ですが)のガッリ・アガジャニン(バス)の声量が圧倒的でした。
 コンクールなのですが、生オーケストラで有名なアリアがたくさん聞けたし、ムラート・アンナマメドフの指揮が良くて、これで30ルーブリ(150円弱)なら大満足です。ホクホクしながら劇場を後にしました。
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by jicperformingarts | 2007-11-12 14:00 | 公演の感想(オペラ)

11/1 マリインスキー劇場 「オテロ」初演

オテロ/ウラジーミル・ガルージン
デズデモーナ/イリーナ・マターエワ 
イアーゴ/セルゲイ・ムルザエフ

 
 オペラでこの作品を観るの時は、母語で観るならともかくも、小説などで予習をきちんとしておくべきだと実感しました。でないと、夫「お前浮気してるだろ」、妻「してないわ」のやり取りを3時間近く繰り返した後、「やっぱ信じられん!」と言って妻をキュッと殺してしまう、というとても恐ろしい作品だという印象だけが残ります。
 主役は国民的歌手のウラジーミル・ガルージン。とてもエキセントリックで引き込まれます。個人的に嬉しかったのは、マターエワが美しかったこと(笑)デズデモーナというにはちょっと女の貫禄ありすぎかな?という気はしますが、それでも声の美しさで十二分にカバーしてました。マリインスキーは美人(しかもスレンダー)のプリマドンナが多いので、ドラマチックな作品でも違和感なく楽しめます。
 最後に演出に関して。最近のマリインスキーの傾向どおり、決して正統派の演出ではありませんが、城壁を模した装置で巧くコーラスと主役の距離を取るなど、程よく簡素、程よく奇抜で趣味はいいと思います。

 
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by jicperformingarts | 2007-11-01 14:19 | 公演の感想(オペラ)


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